CORLEO - コルレオ 人を乗せて山道も走れるライオン型ロボット

皆さんはロボット事業とモーターサイクル事業を展開する川崎重工グループ開発の新しいオフロードパーソナルモビリティ「CORLEO(コルレオ)」をご存じですか? 大阪万博の展示で話題になったので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。 「CORLEO」とはどんなモビリティなのか、実用化の時期や想定している使用シーン、未来の移動手段にどのような影響を与えるのかなど、幅広い観点から紐解いていきたいと思います。

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記事画像 「.CORLEO - コルレオ 人を乗せて山道も走れるライオン型ロボット」

記事の目次

  • ライオン型の見た目が目を引く“CORLEO”の特徴とは?
  • 大阪万博 “フューチャーライフ万博・未来の都市”パビリオン展示で話題に。
  • いま“CORLEO”を試乗できる場所はある?
  • 現在想定されている“CORLEO”の利用シーンと、未来に与える移動手段の新しい可能性と影響

ライオン型の見た目が目を引く“CORLEO”の特徴とは?

https://youtu.be/vQDhzbTz-9k
「CORLEO」は1970年代から産業用ロボットのパイオニアとして数多くの実績を持つ川崎重工が開発している次世代型のモビリティです。「人に寄り添うロボット」として2050年の実装化を目指しています。顔と尾の部分がないライオンのようなインパクトある見た目が大きな特徴で、モビリティの名前にも
  • 「core=核」
  • 「leo=獅子」
という意味が込められています。

四足歩行型という今までにない新しいモビリティの形で、運転者は乗馬のような感覚で重心移動を行い、モビリティを操作します。前脚部と後脚部が独立して動くので、複雑な地形や不安定な足場でも姿勢が安定。普通の車では走行できない山道や水場での操縦にも対応しています。

さらに各関節には高精度なセンサーが搭載されており、地形の変化や乗り手の動きをリアルタイムで検知することが可能です。集めたデータを基に最適な歩行パターンを計算し、自然な動きを生み出しています。今までのモビリティとは一味も二味も違う、モーターサイクルとロボット技術を融合させた新感覚のオフロードパーソナルモビリティなのです。
また、「CORLEO」はカーボンニュートラル(CO2など温室効果ガスの排出量削減の取り組み)貢献に繋がる「水素」が燃料です。エネルギーを後脚部に挿入される水素キャニスターに貯め、前脚部搭載の水素エンジンで発電する仕組みを採用しています。モビリティを通じて、水素エネルギーの存在をより身近に感じてもらうという狙いもあるそうです。
記事画像 「山道も走れる、人が乗れるライオン型ロボット「CORLEO(コルレオ)」とは?」

大阪万博 “フューチャーライフ万博・未来の都市”パビリオン展示で話題に。

「CORLEO」は、大阪万博の2050年の未来社会を体験できる展示スペース「フューチャーライフ万博・未来の都市」パビリオンでコンセプトモデルが展示され、「体勢を上下させる迫力ある姿や、車輪ではなく脚で動く新しい仕組みがカッコいい!」と話題になりました。
2030年には限定的な商業化を、2040年頃に大規模商業化を目指しています。現在公開されている動画はCGですが、いつか映像世界のように軽やかに、街や山道を走る姿を見かける日が来るかもしれません。
ちなみに現地点で予測されている車両価格は1000万円強。なかなか手を出しにくい価格なので、量産化によるコストダウンが今後の課題です。また、日本ではほとんど普及が進んでいない水素用インフラの整備も必要だと言われています。

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いま“CORLEO”を試乗できる場所はある?

今までとは全く異なる新しいモビリティ「CORLEO」。「一体どんな乗り心地なのか」「走行感覚は通常の電動パーソナルモビリティとどう違うのか」「本当に操縦は簡単なのか」など……ぜひ試してみたいと興味を持っている方も多いと思います。
残念ながら2025年10月現在、試乗できる施設やイベントは当メディアでは確認できていません。
ですが、大阪万博での大きな反響を受け、近い将来解禁される可能性は高いと思います。
もし試乗イベントが開催された場合、参加希望者向けの抽選はとても高い倍率になることが予想されます。
試乗可能になった際には当メディアでも大きく取り上げていきたいと思っていますので、その時をぜひ楽しみにお待ちくださいね。

現在想定されている“CORLEO”の利用シーンと、未来に与える移動手段の新しい可能性と影響

記事画像 「山道も走れる、人が乗れるライオン型ロボット「CORLEO(コルレオ)」とは?」
従来のオフロードバイクやATV(全地形対応車)は操作に技術が必要で、初心者が運転するにはハードルが高いと言われていました。
「CORLEO」の大きな魅力はどんな人でも安全に山道を走行できることです。
自動バランス調整機能を備え、体重移動で簡単に操縦できる為、登山ビギナーでも安心して乗ることができますし、人の移動が難しくて車両も入れない急斜面や岩場に進入することも可能です。
トレッキングなどのレジャー利用はもちろん、遭難者の山岳救助や災害時の捜索活動、火山活動の調査や山間部への物資輸送など、様々な用途での活用が検討されています。
他にもJAXAとの共同研究では月面探査用四足ロボットの基礎研究が行われており、機能を応用した月面歩行アルゴリズムも開発中です。
レジャーやモビリティとしての枠を超えた、新たな可能性を多々秘めていると言えるでしょう。

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「CORLEO」が実装されれば、移動手段としての機能を超えたモビリティ革命が起こるかもしれません。

アメリカでは林業や農業を支援するロボットBoston Dynamicsが既に実用化されており、中国でも四足歩行ロボットが10万円台などの安価な価格で次々と発表されています。しかし人が乗れるタイプのロボット型モビリティは世界で類を見ない新しい形です。

海外のロボティクス事業と、どのように差別化を図り実用化に向けて動いていくのか……「CORLEO」の今後が今から楽しみですね。

田宮 有莉

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