2025年12月04日
CORLEO-人が乗れるライオン型ロボット、コルレオが2035年の製品化を目指すと発表
「CORLEO(コルレオ)」は、ロボット事業とモーターサイクル事業を展開する川崎重工グループ(以下、川崎重工)開発の新しいオフロードパーソナルモビリティ。 ライオン型かつ四足歩行という新しいカタチのモビリティは、大阪万博の展示で大きな反響を呼びました。 そして2025年12月3日に川崎重工が「2035年の製品化を目指して本格開発に着手した」と公表したことで、いま改めてCORLEOへの注目度が高まっています。
読者の関心度
★★★★☆
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片倉 好敬
Katakura Yoshitaka
アベントゥーライフ株式会社
代表取締役 兼 CEO
改めてCORLEOの特徴を解説
「CORLEO」は川崎重工が手掛ける次世代型のモビリティで、「人に寄り添うロボット」として開発されました。
顔と尾の部分がないライオンのような見た目が特徴で、モビリティの名前にも「core核」「leo=獅子」という意味が込められています。
モビリティならではの特徴をまとめると、以下のとおり。
- 四足歩行型という今までにない新しい形の乗用具
- 前脚部と後脚部が独立して動くので、山道や水場などオフロードでの移動も可能
- 地形の変化や乗り手の動きをリアルタイムで検知して自然な動きで走行。乗馬のような感覚で運転できる
- カーボンニュートラル貢献に繋がる「水素」が燃料
大阪万博の2050年の未来社会を体験できる展示スペース「フューチャーライフ万博・未来の都市」パビリオンでコンセプトモデルが展示されるとすぐに、「体勢を上下させる迫力ある姿や、車輪ではなく脚で動く新しい仕組みがカッコいい!」と話題になりました。
大阪万博の反響からCORLEO実用化まで道のり
大阪万博での反響もあり、コンセプトモデルに留まらず、実用化にむけて本格開発に着手することがきまった「CORLEO」。どのような流れで製品化を目指すのでしょうか?
①開発専任組織(SAFE ADVENTURE事業開発チーム)立ち上げ
まず、社長直轄のプロジェクトとして開発専任組織を立ち上げることが決定しました。プロジェクトチームとしてライディングシミュレーターの開発や、サウジアラビア・リヤド万博出展を目指すとともに、スマートフォンなどのデバイスを介して安全なルートを案内するナビゲーションシステムも開発予定です。
天候や気温・路面状況・野生動物の出現を検知することで、誰もが安全に安心して山岳地を楽しめるよう山岳事故ゼロを目指すという「SAFE ADVENTURE」コンセプトに基づいた計画で、コルレオと合わせて利用することを目指しています。実現すれば、
②2027年を目途に「ライディングシミュレータ」を開発
2027年を目途に4足歩行モビリティの乗車体験ができる「ライディングシミュレータ」の開発も進める予定です。開発過程で得られた3Dモデルやモーションデータを含めたシステム全体を、ゲームやeスポーツ業界に展開することも視野に入れているそう。ゲーム内で「かつてないライド感覚を提供する」とのこと、約1年後にどのようなシミュレーターが完成するのか、今後の動向から目が離せません。
③2030年開催予定「サウジアラビア・リヤド万博」の会場内モビリティとしての採用を目指す
2030年の万博開催予定地はサウジアラビアのリヤド(Riyadh)です。リヤド万博の会場内モビリティとしてCORLEOの採用を目指します。
④2035年の製品化実現へ
上記①~③のプロセスを経て、2035年頃の実用化を目指すと公表されています。
10年後、今までにないモビリティが山道を走る日が来るのかもしれません。

新たな可能性を秘めるモビリティ、CORLEOの今後にぜひ注目を!
CORLEOは、トレッキングなどのレジャー利用はもちろん、遭難者の山岳救助や災害時の捜索活動、火山活動の調査や山間部への物資輸送など、様々な用途での活用が期待される画期的なモビリティです。JAXAとの共同研究では月面探査用四足ロボットの基礎研究が行われており、月面歩行アルゴリズムも開発中だと言われています。
レジャーやモビリティの枠を超えた、新たな可能性を秘めるコルレオ。まずは2027年にリリース予定の「ライディングシミュレータ」を楽しみに待ってみてはいかがでしょうか。
当メディアでは、引き続きコルレオの動向を注視しつつ、また何か動きがあった際には記事として取り上げたいと考えていますので、ぜひ続報を楽しみにお待ちくださいね。
ライオン型の四足歩行モビリティという、いままでにない新しい乗用具の誕生が楽しみですね。山岳救助や災害時の捜索活動など、社会性のある使い道も期待されています。コルレオの製品化はパーソナルモビリティの新しい可能性や社会的意義を生み出すでしょう。
田宮有莉