逃げ上手の若君の聖地・諏訪をE-bike で巡礼 ― 鎌倉末期を駆けた若き英雄・北条時行、その優しさを育んだ神の地へ

2024年夏、週刊少年ジャンプの人気漫画『逃げ上手の若君』がついにアニメ化され、大きな話題を呼びました。「戦って死ぬ」ではなく「逃げて生きる」。そんな新しい英雄像が、歴史上に実在する人物と重ね合わせながら、本作では描かれています。このアニメの舞台となるのが、長野県・諏訪。本記事では、E-bikeで、北条時行が駆けたその大地をたどる聖地巡礼の旅をご紹介します。アニメに登場する諏訪大社の御柱(おんばしら)、神々が宿る守屋山の水、諏訪湖の冬の御神渡り(おみわたり)、そして地元のうなぎや行者ニンニク――。風を感じながら、神と自然、そして物語の息づかいを体で感じてみませんか。

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記事の目次

  • 逃げ上手の若君の物語の核心:”逃げて生きる”若君の優しさ
  • 逃げ上手の若君の舞台・諏訪が育んだ“逃げ上手”の哲学
  • 逃げ上手の若君の聖地・諏訪をE-bikeでめぐる1日コース
  • 逃げ上手の若君の作品とともに味わう諏訪グルメ
  • 逃げ上手の若君の重要人物である大祝・諏訪頼重という神官と諏訪の歴史
  • 逃げ上手の若君の聖地巡礼をE-bikeで楽しむための実践アドバイス
  • 逃げ上手の若君の作品全体から学ぶ、優しさから生まれる強さを感じる旅へ

逃げ上手の若君の物語の核心:”逃げて生きる”若君の優しさ

時は西暦1333年。
武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、幕臣・足利高氏(のちの足利尊氏)の裏切りにより崩壊します。
すべてを失い、燃える鎌倉を脱出した少年――それが『逃げ上手の若君』の主人公、北条時行(ほうじょう ときゆき)です。

導きの手を差し伸べたのは、神を名乗る神官、諏訪頼重(すわ よりしげ)
時行は彼に匿われ、信濃国・諏訪の地で新たな人生を歩み始めます。

この地で時行は、信頼できる仲間たち――「逃若党(ちょうじゃくとう)」と出会い、鎌倉奪還のための力を蓄えていきます。
彼の武器は、刀ではなく「生き延びる知恵」と「逃げる才覚」。
そして何よりも、人を信じ、人を斬れないほどの優しさです。

仲間たちはそんな時行の人柄に惹かれ、彼を中心に結束していきます。
孤独に裏切られた少年が、仲間と共に成長し、尊敬され、愛される存在へと変わっていく――。
その姿は、まるで『ワンピース』のルフィのように、力ではなく心で人を導く英雄像にも重なります。
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TVアニメ『逃げ上手の若君』公式キービジュアル。炎の中に浮かぶ若き北条時行と仲間たちの姿は、逃げながらも未来へと進む彼らの信念を象徴している。諏訪の神々に導かれ、歴史のうねりを駆け抜ける物語の幕開けを印象的に描く一枚。

逃げ上手の若君の舞台・諏訪が育んだ“逃げ上手”の哲学

なぜ、『逃げ上手の若君』の舞台が諏訪なのか。
その理由は、諏訪という土地がもつ「神と人の共生」という独特の世界観にあります。

諏訪大社は日本最古級の神社であり、本殿を持たず、自然そのものを神とする独自の信仰が息づいています。
守屋山を御神体とし、湖・森・風といった自然現象を、「神の現れ」として受け入れてきました。

諏訪頼重が実際に存在した神官であり、神の声を伝える大祝(おおほうり)であったことも重要です
彼の元で時行は、戦うことではなく逃げて生き延びる術を学び、神々の力を借りて“次の時代”を生き抜く強さを身につけていきます。

諏訪の地そのものが、「生き延びる知恵」を授ける大きな神殿のような存在なのです。
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守屋山の麓に鎮座する守屋神社。諏訪大社の御神体・守屋山を遥拝する神聖な社であり、豊かな木立に包まれた参道は、まるで異界へと続く道のような静けさに満ちている。


出典:四季倶楽部「しきたび」公式ブログ

逃げ上手の若君の聖地・諏訪をE-bikeでめぐる1日コース

概要

  • 走行距離:約28km
  • 所要時間:7〜8時間(参拝・見学・食事含む)
  • スタート地点:JR茅野駅
E-bikeなら、諏訪の風と香りを感じながら、『逃げ上手の若君』の舞台を自分の速度でめぐることができます。

① 諏訪大社 上社前宮

(茅野駅から約2.4km)

北条時行が頼重に匿われたとされる地であり、作中では諏訪大社の四つの柱(御柱)での稽古シーンが印象的に描かれます。
陽光が差し込み、風が木々の間を抜けるたびに、アニメで描かれた“逃げの間合い”を思い出すでしょう。
  • 見どころ:鳥居、十間廊、御柱、神原(ごうばら)、頼重供養塔、水眼の清流 
  • アニメ再現ポイント:「逃若党」が御柱のまわりで鍛錬するシーン
  

② 諏訪大社 上社本宮


(前宮から約2km) 

荘厳な神楽殿と長い布橋、そして御柱が四隅を守る姿は、まさに「神が座す」雰囲気。
アニメでは、頼重が未来を見通す神力を示す場面にこの地が重ねられています。
  • 見どころ:布橋、大太鼓のある神楽殿、北参道の商店街
  

③ ランチタイム ― 諏訪の味覚を楽しむ


午前中の上社巡りを終えたら、少し足を止めて諏訪の味覚を堪能しましょう。 
アニメ『逃げ上手の若君』にも登場するうなぎ行者ニンニクなど、諏訪ならではの食材が旅のエネルギーを満たしてくれます。
詳細は記事後半の「アニメとともに味わう諏訪グルメ」で紹介しますが、上社本宮前の商店街や湖畔の食堂では、地元の味と歴史の香りが感じられます。

「逃げながらも生きる」時行たちが味わったように、あなたもこの地の力を体に取り込むランチタイムを。
  

④ 諏訪大社 下社春宮


(上社本宮から約7km)
春宮は“静”の象徴。
作中では、頼重が時行に「逃げるとは、負けることではない」と諭す場面で、この社のような柔らかな空気が印象的に描かれています。
境内の奥にある万治の石仏も、ファン必見のスポット。
  

⑤ 諏訪大社 下社秋宮


(春宮から約1km)
下社の“動”にあたる秋宮は、巨大な青銅狛犬と大しめ縄が圧巻。
アニメでは、諏訪の神々が動き出す象徴的なシーンにこの社の構図が用いられています。
  

⑥ 諏訪湖畔サイクリング


(下社秋宮から約16km)
四社巡りを終えたら、諏訪湖を一周。
冬の諏訪湖を舞台に描かれるのが、「御神渡り(おみわたり)」のシーンです。
夜明けの氷が裂け、湖面に神の通り道が浮かぶ映像は、アニメ屈指の名場面のひとつ。
現地では、風が湖を渡る音の中に、その神秘を感じられるでしょう。

⑦ 上諏訪温泉 ― 千人風呂で締めくくり


旅の終わりには、上諏訪温泉の片倉館・千人風呂へ。
守屋山の湧水をたたえた湯に浸かれば、神々と同じ水のぬくもりを感じるはずです。
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逃げ上手の若君の作品とともに味わう諏訪グルメ

諏訪は、湖と山の恵みが育んだ食文化の宝庫です。
『逃げ上手の若君』でも、食は単なる日常ではなく、「自然の力を体に取り込む行為」として象徴的に描かれています。

E-bikeでの巡礼の途中、そんな物語の空気を感じながら味わう一皿は、きっと特別な時間になるはずです。
モビリティで聖地巡礼しながら体を動かし、お腹を空かせ、飲食店に立ち寄り、グルメの味に舌鼓を打つ。そして、また次の聖地に向かい、お腹を空かせ、グルメを堪能する…というような形で、グルメを堪能できます。

作中に出てくるグルメの味を通して、「逃げながらも生きる力を取り戻す」という時行たちの物語を、五感で追体験してみてください。
諏訪の食は、彼らの生き方と同じく、自然と神が共に息づくような力強さと清らかさに満ちています。
食材特徴アニメでの描写実際に味わえる場所
うなぎ諏訪湖の象徴。香ばしく甘いタレが特徴。頼重邸での食事シーンに登場。湖の恵みとして描かれ、諏訪の豊かさを象徴しています。上社本宮前の老舗うなぎ店や湖畔の名店
行者ニンニク山の修験者が精をつけるために食したと伝わる山菜。諏訪頼重が御信託を得る神通力を復活させるために口にする印象的なシーンがあります。自然の力を体に取り込み、神と再びつながる象徴として描かれています。春宮近くの郷土食堂、道の駅などで季節限定料理として提供
信州そば風味豊かで軽やかな味わい。アニメ中では明確な食事シーンはありませんが、諏訪を訪れたら欠かせない“現地の味”。温泉あがりにもぴったりの、喉ごしの良さが魅力です。諏訪湖畔や上諏訪温泉街のそば処
味噌料理諏訪味噌を使った郷土の味。アニメ内では具体的には登場しませんが、時行たちが焚き火を囲んで食事をする場面に重ねて想起される味。体を温め、旅の疲れを癒やす一品です。秋宮前の味噌蔵カフェや老舗味噌蔵直営店
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諏訪湖畔の老舗「うなぎ割烹 濱丑」。香ばしく焼き上げたうなぎの蒲焼は、外はパリッと、中はふっくら。アニメ『逃げ上手の若君』にも登場する諏訪の湖の恵みを、現地で味わえる贅沢な一品。


出典:諏訪市観光ガイド「諏訪観光ナビ」

逃げ上手の若君の重要人物である大祝・諏訪頼重という神官と諏訪の歴史

諏訪頼重は実在の人物で、諏訪大社上社の大祝(現人神)でした。 
神の声を地上に伝える唯一の存在として、国政にも影響力を持ちました。
戦国時代を生きた諏訪頼重は、26歳という若さでこの世を去るまで、神官という顔と、武将という顔の2つを持ち合わせ、複雑な乱世を生き抜いた悲劇の武将と呼ばれています。

そして、『逃げ上手の若君』では、神々の声を聞きながら、時行を導く神秘的な存在として描かれます。
ときに慈悲深く、ときに恐ろしく―。
頼重の激動の人生全体で経験した喜びや苦悩を、時行に余すことなく全て伝え、自分の後継者として託す師弟関係のような、美しい関係性を感じ取れます。

頼重は、時行に「生きるために逃げる勇気」を教えた“もうひとりの父”とも言える存在です。
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出典:TVアニメ『逃げ上手の若君』公式サイト

逃げ上手の若君の聖地巡礼をE-bikeで楽しむための実践アドバイス

『逃げ上手の若君』の聖地巡礼を楽しむために、以下のポイントを参考にしてみてください。 

  • 服装:動きやすい軽装と参拝にふさわしい服装を両立。 
  • マナー:参道は自転車を降りて押し歩き。 
  • 持ち物:御朱印帳、水筒、スマホ、雨具、タオル。 
  • おすすめシーズン: 
春:新緑と桜
夏:アニメ放送時期の青空
秋:紅葉と澄んだ空気
冬:御神渡りの神秘 御朱印
  • 御朱印:四社すべて集めると記念品がもらえます。

徒歩では遠くて行くことが難しい場所、しかし大型モビリティでは小回りが効かなかったり、持ち運びが難しく不便な場所も、E-bikeでは、らくらく巡ることができます。

アニメの世界をE-bikeで疾走し、心身ともに、作中に没入してみませんか。
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逃げ上手の若君の作品全体から学ぶ、優しさから生まれる強さを感じる旅へ

『逃げ上手の若君』の物語は、単なる戦記ではありません。
それは、「優しさを捨てずに生きる勇気」を描いた作品です。

北条時行は、人を斬れない優しさゆえに悩みながらも、自分なりの戦い方を見つけます。
諏訪の神々、頼重、そして逃若党の仲間たちが、その心を育てていったのです。

E-bikeで諏訪をめぐれば、時行が感じた風や光、そして仲間との絆が少しずつ重なっていきます。
御柱の前に立ち、守屋山の湧水に触れ、諏訪湖の風を受けると――、
彼の「逃げて生きる」という言葉が、決して弱さではなく、生き抜く力の象徴であることがわかります。

どうかこの旅で、あなた自身の“逃げ上手”の心を見つけてください。
それは、きっと時行が諏訪で掴んだものと同じ、「優しさから生まれる強さ」です。
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