2025年7月07日
嵯峨野トロッコ列車の魅力と、京都・嵐山に行ったら必ず乗りたい、おすすめ観光スポット
歴史ある神社仏閣、美しい世界遺産や日本らしい街並み…たくさんの魅力があり、訪日観光客の人気も高い京都。中でも嵐山は渡月橋や竹林など、四季折々の絶景が楽しめるほか、飲食店や写真映えするカフェ、土産物店も多く出店しているエリアなので、京都観光の一環として訪れる方も多いかと思います。今回は京都・嵐山に行ったらぜひ乗ってみたいモビリティ「嵯峨野トロッコ」の魅力と、周辺観光スポットについてご紹介します。
読者の関心度
★★★★☆
4
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片倉 好敬
Katakura Yoshitaka
アベントゥーライフ株式会社
代表取締役 兼 CEO
日本を代表する景勝地、京都・嵐山。その魅力と歴史を紐解こう。
京都市西部に位置する嵐山は、四季折々に変化する美しい絶景が楽しめる景勝地です。長い歴史を経て現在も多くの地元民や観光客から愛されています。
遡ること平安時代、嵯峨天皇が離宮嵯峨院(現在の大覚寺)を造営したことが嵐山の始まりでした。以後、天皇家ゆかりの地、貴族の別荘地として発展し、栄えていきます。
古典文学の舞台としても有名な嵐山。亀山上皇が「くまなき月の渡るに似る」と詩に詠み、名づけられたことでも有名な「渡月橋」は836年に架橋されました。現在使われている橋は1934年に完成したものです。春の桜開花や秋の紅葉シーズンは美しい景色を一目見ようと多くの観光客が訪れています。
「竹林の小径」は、“嵐山”という言葉を聞いてイメージする方が最も多い観光スポットかもしれません。詳しい歴史は未解明ですが、貴族文化の一つとして庭園の景観に取り入れられたことが始まりだと言われています。茶道文化や庭園芸術が注目されるようになった江戸時代に整備が始まり、歴史を重ねて今の小径が完成しました。
嵐山の竹林は、歩くだけで不思議と気分が浄化される神秘的な魅力がありますよ。
人気観光スポットの嵐山。嵯峨野トロッコ列車はいつ誕生したのか?歴史とルーツを解説!
1991年に開業した嵯峨野トロッコ列車。嵐山と亀岡7.3㎞の間を繋ぐモビリティです。設置駅はトロッコ嵯峨、トロッコ嵐山、トロッコ保津峡、トロッコ亀岡の4か所。始発から終点まで片道25分程度かけてゆっくりと移動します。
道中、車窓から保津川の絶景や渓谷美を楽しむことができると評判で、35年の年月を経た今でも年間100万人以上の乗客に利用されています。最近は訪日観光客の利用が増加傾向にあり、インバウンド需要も高まっていると言えるでしょう。
嵯峨野トロッコのルーツは1897年まで遡ります。京都から山陰地方を結ぶ鉄道を開発するという名目で京都鉄道が開通し、亀岡方面に向けて線路が敷説されました。しかし、国営化による路線統合の波にのまれ、京都鉄道の買収が決定します。1907年には旧線が廃止となり、新線への切り替えとともに列車の運行も終了しました。
その後1991年、旧線の美しい事前景観を活かし、観光列車として再開発する目的で、「嵯峨野観光鉄道株式会社」が設立されました。ディーゼル機関車が客車を牽引するスタイルや、自然を肌で感じることができるオープン車両が話題を呼び、新たなモビリティに生まれ変わったのです。
気になる嵯峨野トロッコ列車の運賃は?予約方法やチケット販売時間をご紹介
嵯峨野トロッコの運賃は乗車区間に関わらず、一律大人880円・小児(6歳以上)440円です。※団体割引、障がい者割引あり
乗車券は窓口での先着販売のほか、オンラインでも購入が可能ですよ。春秋シーズンは特に込み合うので、乗る日時が決まっている場合はweb予約がおすすめです。
【販売場所と販売開始時間】参考:嵯峨野トロッコ列車公式サイト
トロッコ嵯峨駅 | 午前8時35分頃 |
トロッコ嵐山駅 | 午前8時50分頃 |
トロッコ亀岡駅 | 午前9時10分頃 |
嵯峨野トロッコ列車に乗る際に選びたいオープン車両「リッチ号」や車内名物とは?
嵯峨野トロッコ列車はディーゼル機関車の先頭車両を除くと5両編成ですが、唯一窓ガラスのない「リッチ号」(5号車)を選ぶと、よりダイレクトに美しい自然を体感することができます。
天井はガラス張りで透明なので、四季折々の木々や青空がすぐ近くに感じられ、臨場感もありますよ。定員は60名程度、運賃は通常の車両と変わらないので、より開放感ある景色を楽しみたい場合はリッチ号を選ぶことをおすすめします。デメリットはもし雨が降った時に濡れてしまうことです。
また、車掌さんの個性あふれるアナウンスも嵯峨野トロッコ名物の一つ。人によってガイド内容は異なりますが、中には歌を披露してくれる方もいらっしゃるとか…!
「今回はどんなアナウンスかな?」とワクワクしますね。
嵯峨野トロッコ列車の各駅には何がある?立ち寄りたいスポットを紹介!
【トロッコ嵯峨駅】
JR嵯峨野線の嵯峨嵐山駅に隣接した、レンガ調の駅舎が目を引くトロッコ嵯峨駅。館内にはトロッコ列車乗車券売り場と保津川下り乗船券売り場があります。
【トロッコ嵯峨駅近くのおすすめスポット】
・ジオラマ京都JAPAN、19世紀ホール
ジオラマ京都JAPANでは西日本最大級の鉄道ジオラマを見ることができます。精巧に作られた京都の名所や神社仏閣は一見の価値あり!模型列車を操縦することもできますよ。
19世紀ホールには、本物のSLや9世紀の巨匠が好んだオルガンやピアノの展示があります。トロッコの待ち時間に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
・よーじやカフェ 嵯峨野嵐山店
京都で有名なよーじやカフェ。嵯峨野嵐山店は古民家のような雰囲気の外観とレトロモダンな内装が特徴的です。よーじやモチーフの顔が施されたラテアートやスイーツは絶品。パスタなどの軽食もあるので小腹を満たしたいときにもぴったりです。
・渡月橋、嵐山まるん
嵐山の有名観光スポット、渡月橋はトロッコ嵯峨駅から徒歩15分ほどでアクセス可能です。「嵐山まるん」は渡月橋のすぐ北に位置する大人気の京都土産店。「京のうす飴やさん」「琥珀糖」「京都くっきー」など、可愛くて美味しいお菓子が販売されていますよ。京都土産を探している方にぜひ訪れてほしい名店です。
【トロッコ嵐山駅】
嵐山の美しい自然に調和するように佇む、三角屋根が特徴の小さな駅です。嵐山エリアに最も近く、アクセス良好。ホームまで60段の階段があるので足腰が弱い方は注意が必要です。
【トロッコ嵐山駅近くのおすすめスポット】
・竹林の小径、天龍寺
トロッコ嵐山駅から竹林の入り口までの徒歩分数は約2分、天龍寺まで約7分です。竹林の小径と天龍寺はとても近いので一緒に観光すると良いでしょう。竹林のマイナスイオンをたっぷり浴びた後、天龍寺で広大な境内や美しい庭園を拝観して一息つくのもおすすめです。天龍寺は広いので全て回ろうとするとかなりの時間を要します。
時間に余裕を持って訪れましょう。
・おぐら茶屋
トロッコ嵐山駅から徒歩約4分、常寂光寺前に位置するおぐら茶屋では絶品うどんや甘味を楽しむことができます。日本情緒あふれる緑豊かな外観や、お店のシンボルとして飾られている朱傘は「美しい」の一言に尽きます。天気の良い日は庭園の席で飲食するのも素敵ですね。夏は絶品かき氷も販売していますよ。
【トロッコ保津峡駅】
トロッコ保津峡駅は、保津川にかかるつり橋を渡った場所に位置する無人駅です。駅に到着すると、信楽焼の可愛らしいタヌキの置物が出迎えてくれます。入り口からホームの間には階段や吊り橋があるのも秘境感がありとてもユニーク。下車したときに見える景色は圧巻ですよ。駅周辺はハイキングコースとしても知られています。近くには山陰本線の保津峡駅がありますよ。
【トロッコ保津峡駅近くのおすすめスポット】
・鵜飼橋
標高約60m、全長約50mの大きな橋です。保津川をまたぐように架橋されており、壮大な景色を満喫することができます。写真スポットとしてもおすすめです。
※トロッコ保津峡駅付近は大自然に囲まれており美しい景観を楽しむことができます。しかし近隣に飲食店などの施設は一切ないので注意しましょう。(トイレは山陰本線の保津峡駅のみ)
【トロッコ亀岡駅】
嵯峨野トロッコ終着点であり、保津川下りの乗船場でもあるトロッコ亀岡駅。近辺ではラフティングや観光馬車などの体験もできるので、家族旅行やグループ旅行で訪れるのも良いでしょう。トロッコ保津峡駅同様、信楽焼のたぬきがシンボルとして飾ってありますよ。いつもとは少し違った京都の旅をしたいと思っている方はぜひ足を運んでみてください。
【トロッコ亀岡駅近くのおすすめスポット】
・保津川下り
トロッコ亀岡駅のスロープを下りて、「保津川下りバスのりば」の看板を目印に進み、バスに乗って10分ほどで乗船場に到着します。(バスは1時間に1本、全便35分発です。)
美しい大自然の中、スリルを味わいながら行う川下りはやみつきになる楽しさです。身長80㎝以上であれば参加することができるので子連れでもOK。専門知識を持ったラフティングガイドが付くので初心者でも安心して楽しむことができますよ。
・京馬車
トロッコ亀岡駅から保津川乗船場まで、なんと馬車に乗って移動することも可能です。所要時間は片道約25分。心地よい風、草木の香りを感じながらゆったりとした時間を過ごすのはいかがでしょうか。馬が歩く「パカパカ」という足音にも癒されますよ。周遊コースもあるので、トロッコの待ち時間に利用するのも良いでしょう。
・湯の花温泉
トロッコ亀岡駅から車で約25分と、少し距離はありますが「湯の花温泉」もぜひ立ち寄りたい癒しスポットです。京都というと「神社仏閣」「日本の歴史を象徴する街並み」といったイメージが強いですが、実は市街地からそう遠くない距離に温泉もあるのです。湯の花温泉郷の中には素敵な旅館もたくさんあるので宿泊にもおすすめですよ。旅の疲れを温泉で癒すのはいかがでしょうか。
京都観光の選択肢に加えたい!嵐山の嵯峨野トロッコ列車には魅力がたくさん!
京都・嵐山の歴史や美しい自然を肌で感じることができる嵯峨野トロッコ列車。それぞれの駅にたくさんの魅力や見どころが詰まっています。京都旅行の際は、ぜひプランの一つとして検討してみてくださいね。