2025年12月16日
バーチャルマーケット2025 Winterにホンダとスズキが出展、モビリティ業界に流れる新しい風とは
株式会社HIKKYが2025年12月6日(土)から12月21日(日)に開催する、VR上で開催される最大級のメタバースイベント「バーチャルマーケット 2025 Winter」に、総合モビリティーメーカーのスズキ株式会社(以下スズキ)と本田技研工業株式会社(以下ホンダ)が出展すると、いま話題です。 バーチャルマーケットとはどんなイベントなのか、モビリティーメーカーがいったいどんな形でイベントに参画しているのか、イベントの見どころなど、さまざまな角度から紐解いていきたいと思います。 (画像引用:バーチャルマーケット公式㏋より)
読者の関心度
★★★★☆
4
※ 各読者がページに費やす時間によって決まります。
片倉 好敬
Katakura Yoshitaka
アベントゥーライフ株式会社
代表取締役 兼 CEO
バーチャルマーケット2025 Winterとはどんなイベントなのか
「バーチャルマーケット」は、インターネット上の仮想空間、メタバースで開催される世界最大級のイベントです。累計1,000万人以上が参加した実績があり、ギネス世界記録™を4つ取得しています。2018年の開催以来、毎年夏と冬の年2回開催され、バーチャルの文化による新しい価値を広げる代表的なイベントとして年々進化を遂げています。
参加者はアバターの姿で来場し、仮想空間内でアイテムや洋服、飲食物などの商品を売買したり、アトラクションやゲーム、音楽ライブを体験することができます。会場内にはフォトスポットやインタラクティブな仕掛け、ミニゲームが盛りだくさん。撮影や配信もOKで、現実世界で遊ぶ感覚で没入体験を楽しむことができます。VRヘッドセットがなくてもPCから気軽に参加可能です。
バーチャルマーケット2025 Winterの企業出展ブースとは?
「バーチャルマーケット2025 Winter」には「新宿」と「シンガポール」をモチーフにしたパラリアル(パラレルワールド+リアル)な2会場が用意されており、さまざまな企業が出展しています。
パラリアル新宿
新宿東口の繁華街、西口オフィス街、新宿御苑、都庁、サザンテラスの5つのエリアをメタバースで再現したエリアです。エリア内はモノレールに乗って移動可能です。
パラリアル新宿内では、12の企業・自治体がブースを出展しています。
出展企業
- スズキ株式会社
- 日本競馬協会
- 花王グループカスタマーマーケティング株式会社
- サントリー株式会社
- ダイアナ株式会社
- 株式会社みすずコーポレーション
- 株式会社diVRse
- 株式会社マウスコンピューター
- 株式会社東京マルイ
- 静岡県交通基盤部未来まちづくり室
- 静岡県焼津市
- 静岡県浜松市
パラリアルシンガポール
人と自然、現実と仮想が響き合い、伝統と未来文化が花開くハイパースマートシティ「パラリアルシンガポール」。未来的な景色の中に、マーライオンやマリーナベイ・サンズ、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイなどをパラリアルに再現したランドマークが広がります。マーライオンゴンドラで会場内を周遊する、メタバースならではの観光体験もみどころです。パラリアルシンガポール内では9の企業がブースを出展しています。
出展企業
- 株式会社ホンダーモーターサイクルジャパン
- スズキ株式会社
- 日本中央競馬会
- 株式会社ユニバーサルエンターテイメント
- サントリー株式会社
- アサヒ飲料株式会社
- シャープ株式会社
- 仲村製茶株式会社
- アース製薬株式会社
バーチャルマーケット 2025 Winter出展のモビリティメーカー、スズキとホンダはどんな企業なのか
バーチャルマーケット 2025 Winterに出展する企業のうち、スズキとホンダはモビリティメーカーです。いずれも初出展とのこと、どのような形で仮想空間での体験を提供するのか注目が集まっています。
スズキ株式会社(スズキ)
スズキは1920年3月(大正9年)創業の長い歴史を誇る世界的な輸送機器メーカーです。
日本や欧州では2050年を目途に、インドでは2070年度を目途にカーボンニュートラルの達成を目指すと公表しています。新興国の経済成長にも貢献するとビジョンを発表。今後もEVの開発を進める方針を固めています。ワゴンや四輪トラック、二輪車のイメージが強いかもしれませんが、
セニアカーのような電動車いすやカーボンニュートラル燃料船外機の開発にも力を入れているので、今後の動向に注目が集まっています。
本田技研工業株式会社(ホンダ)
本田技研工業株式会社は、1948年9月(昭和23年)創業のモビリティーメーカーです。「ホンダといえば二輪車(オートバイ)」という印象を持つ方も多いですが、四輪車や船外機、航空、パワープロダクツなどさまざまなモビリティを開発・販売しています。近年は二輪・四輪・パワープロダクツすべての領域で電動化を推進。
また、ホンダが持つ独自のロボティクス技術を活用して開発された「
UNI-ONE」など、革新的なパーソナルモビリティも躍進中です。
バーチャルマーケット 2025 Winter スズキの出展内容とは?
スズキは、バーチャルマーケット 2025 Winter企業出展会場の「パラリアル新宿」と「パラリアルシンガポール」の2会場それぞれにブースを設け、Japan Mobility Show 2025にも出展した「スズライド 2」と「セニアカー」のバーチャル体験を提供。
まず、2025年度に発売40周年を迎えた「セニアカー」はパラリアル新宿に出展。ブーステーマは、「創業当時の鈴木式織機製作所をモチーフとした、セニアカー40周年の安心を伝えるブース」で、パラリアル新宿内をセニアカーで周遊する体験や、移動に困っているキャラクターをセニアカーで助ける体験など、楽しいコンテンツが用意されています。
一方「スズライド 2」はパラリアルシンガポールに出展。「カーボンニュートラル時代の新たな電動小型モビリティを提示する、緑化と近代化が融合した楽しいグリーンブース」というテーマを掲げています。実際のブースではバーチャル上で「スズライド 2」に乗り、パラリアルシンガポール内を周遊する体験ができるほか、ただ走るだけではなく走行ルールを楽しく学ぶクイズゲームや車体に自身のアバター姿を転写するなどのコンテンツもあり、モビリティの魅力を知り、存分に楽しむことができます。
バーチャルマーケット 2025 Winter出展、スズキのセニアカーとはどんなモビリティなのか
スズキのセニアカーは、買い物や散歩など、日常の移動手段として利用できる「ハンドル形電動車いす」です。
走行スピードはゆっくりで、最高速度は時速6kmと、早足で歩くのとほぼ同じ。電気の力で動くため、エコなのはもちろん、音も静かです。まるで歩行しているかのように、どんな人でも外出を楽しむことができます。車いすなので道路交通法では歩行者として扱われ、安心して運転できるのも嬉しいポイントです。
スズキは長らく電動車いすの開発に尽力しており、最初に新商品開発プロジェクト・チームが発足したのは1973年でした。その後開発を進め、1985年10月に電動三輪タイプである「スズキセニアカーET10型」を発売。何度も改良を続け、2025年に40周年を迎えた歴史あるモビリティです。
現在販売されている最新モデルは2023年発売の「スズキセニアカー・ET4DB型」で、障害物検知サポートや速度抑制機能付クラッチ、LEDヘッドライトなどの機能を追加して安全性がさらに向上しています。
Japan Mobility Show 2025のブースでは、初代セニアカーET11と現行セニアカーET4DBの実機やセニアカーの歴史を紹介するパネルが展示されていました。今回のバーチャルマーケット 2025 Winter・パラリアル新宿のブースでは、セニアカーの歴史はもちろん、バーチャル上ではありますが、リアルに快適な走行性を体験することができるはずです。
Japan Mobility Show 2025で展示されていた、初代セニアカーET11(左)と現行セニアカーET4DBの実機(右)
バーチャルマーケット 2025 Winter出展、スズキのスズライド 2とはどんなモビリティなのか
スズキのスズライド2は、イエローとブラックのクールなデザインが目を引く4輪電動パーソナルモビリティで、道路交通法上の区分は特定小型原動機付自転車(特定小型)です。2023年開催のジャパンモビリティーショーに参考出品された「SUZU-RIDE」からプロトタイプに進化したことで日常、商用、レジャーまで、いつでも楽しく使える使い勝手の良い電動モビリティに生まれ変わりました。「初めてでも安心して乗れる、扱いやすさ」にとくにこだわったそうで、幅広い世代に活用してもらえる乗用具を目指しています。
後部には買い物かごをそのまま積載できる荷台スペースがあるほか、車体前部にはドリンクホルダーが、シートの下には鞄や上着など、ちょっとした荷物を収納できる小物スペースを設けるなど、日常使いするうえで便利な機能が付いている点も嬉しいポイントです。
免許不要で運転できるので、免許返納後の移動手段としても活躍が期待できそうですね。
バーチャルマーケット 2025 Winterに参加して、バーチャル空間上でのシンガポールの街をスズライド2に乗って旅してみると、新しい発見があるかもしれません。
バーチャルマーケット 2025 Winter ホンダの出展内容とは?
ホンダは、バイクの楽しさをイメージさせるサーキットとテーマパークを模したコンセプトでバーチャルマーケットのパラリアルシンガポール内にブースを展開します。来場者はアバター姿で「スーパーカブ C125」「CB1000 HORNET SP」に乗り、仮想空間の中をシンガポールの雰囲気を感じながら走る「バーチャルツーリ ング(Honda VR Touring)」を体験。展示車両に触れたり、アバターが跨って写真を撮ることも可能です。
ホンダのブースに入ってまず目に入るのはHondaの大きなロゴマークと特大の観覧車です。観覧車には実際に乗ることもできるんだとか。
過去のモーターサイクルショーや鈴鹿8耐のHondaブースに加え、鈴鹿サーキットなどをモチーフにしてデザインされているブースは見どころがたくさん。近未来感ある世界に没入することができますよ。
バーチャルマーケット 2025 Winter出展、ホンダのスーパーカブC125とはどんなモビリティなのか
ホンダの2輪、スーパーカブシリーズは長い歴史を持つモビリティです。初代モデルの「スーパーカブ C100」は、創業者である本田宗一郎氏と藤澤武夫氏の指揮・開発により、創業10年目の1958年に誕生し、人々の生活に役立つ喜びを提供し続けました。以来60年、「性別を問わず、幅広い年齢層に使い勝手の良いモビリティ」を目指して常に時代のニーズに応えることで魅力をキープ。その結果、2017年には世界生産累計1億台を達成しました。
C125は、羽ばたく鳥の翼をモチーフにしたハンドルやハンドルからフロントフォークにつながる可動部より独立したレッグシールドなど初代モデルであるC100を彷彿させるデザインを採用、レトロかつ、優雅でモダンなスタイルを継承したモデルで、スーパーカブ誕生60周年を迎えたタイミングの2018年9月にリリースされました。
心地いい走りをいつでも楽しめるように、低振動・低ノイズを追求した空冷4ストローク125ccエンジンを搭載。さらに電子制御で理想的な燃料供給を行うPGM-FIによって排出ガスを抑制し、環境に配慮するとともに、燃料消費率70.0km/Lという省燃費も両立しています。
バーチャルマーケット 2025 Winterのパラリアルシンガポールで、乗り心地をリアルに体験してみては?
バーチャルマーケット 2025 Winter出展、ホンダのCB1000 HORNET SPとはどんなモビリティなのか
クールなボディが目を引くCB1000ホーネットSPは、ホンダのネイキッドスポーツを代表するフラッグシップモデル。1000ccクラスながら軽快なハンドリングを誇り、ストリートでもワインディングでも圧倒的な存在感を放つモビリティです。スタイリングコンセプトは「AGGRESSIVE×PURE」。装飾的なディテールで誇張をするのではなく、全体のプロポーションや車体姿勢といった本質的な部分でアグレッシブなスタイリングを表現しています。
並列4気筒エンジンを搭載し、爽快な加速と走り心地を味わえる1台で、メーカー希望小売価格(消費税込み)は1,584,000円。バイク好きの心をくすぐりますね。
ぜひバーチャルマーケット 2025 Winter、パラリアルシンガポール内のブースでツーリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
画像はホンダ公式サイトから引用。バイク好きの心を掴む、スタイリッシュでかっこいいボディーはバーチャル空間内で見てもリアルに感じることができるそう。アバターと一緒に記念撮影をするのも楽しそうですね。
バーチャルマーケット 2025 Winterで次世代のモビリティ体験を
バーチャルマーケット 2025 Winterではスズキやホンダのモビリティを仮想空間上で楽しむことができます。
イベントに参加するには、まず無料の仮想空間プラットフォーム「VRChat」をPCまたはVR対応機器にインストールしてください。イベント当日は、VRゴーグルを使うと没入感が高いですが、なくても参加は可能なので、気軽な気持ちで試してみたいという方でもOK!
「バーチャル空間ってなじみがないので難しそう…」と思うかもしれませんが、VRゴーグルなしのPCモードなら操作も簡単です。ビリティが好きな方、VR上で気になるクルマの乗り心地を体験してみたい方、バーチャルイベントに興味がある方はぜひ、トライみてくださいね。新しい感覚と今までにない体験に、きっとワクワクするはずです。