電動キックボード利用者必見、LUUP導入の交通違反点数制度に関する安全対策の強化とはどんな制度?

電力で走るサステナブルな新しいモビリティ「電動キックボード」。 便利な一方、ユーザー数増加の割合に比例して交通事故や違反が増えているのも現状で、警察の検挙数も増加傾向に……。 この課題を解消すべく、株式会社Luupは、2025年11月7日(金)12:00より、利用規約とプライバシーポリシーを一部改定し、LUUP「交通違反点数制度」の運営を改善すると公表しました。 電動キックボードの交通事故や違反にはどのような種類があるのか、今後どのようにルールが変わるのかなど、現状と比較して詳しく紐解いていきたいと思います。

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記事の目次

  • 2023年の道路交通法改正で変わった電動キックボードの扱い
  • 電動キックボード利用で多発する交通事故・違反
  • 電動キックボードシェアリングサービス大手「LUUP」が講じた対策とは?
  • 2026年4月からは普通自転車も青切符の対象に!
  • LUUPの新制度は、電動キックボードユーザーの意識改革に繋がる重要な取り組み

2023年の道路交通法改正で変わった電動キックボードの扱い

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2023年7月の道路交通法改正により、電動キックボードに関する交通ルールが大きく変わりました。
従来は、原付や自動車と同じ扱いで、運転免許が必要とされていましたが、法改正により一定の基準を満たす電動パーソナルモビリティは「特定小型原動機付自転車」という新しいカテゴリに分類され、16歳以上であれば誰でも免許不要で運転できるようになったのです。

この変更により、「誰でも気軽に乗ることができる新しいモビリティ」として、電動パーソナルモビリティの普及が拡大し、LUUPなどのシェアリングサービス利用者数も急増しました。電動・小型・一人乗りのマイクロモビリティを包括的に取り扱う株式会社Luupは、都心部を中心に駅前やビルの一角など、街のいたるところに専用のポートを設置。「通勤や買い物などのちょっとした移動に便利」と、若年層を中心に普及が進み、街中でもLUUPに乗る人の姿をよく見かけるようになりました。

最近では観光地のアクティビティとして電動モビリティのシェアリングサービスを取り入れている自治体や企業も増えており、オーバーツーリズム改善など、多方面での活躍が期待されています。将来的には若者から高齢者まで、幅広い方々が利用できる三輪〜四輪モビリティなどの様々な電動マイクロモビリティの車両導入を目指すと公表しており、日々躍進を続けています。

参考:電動キックボードに関する交通ルールを確認しましょう! | 政府広報オンライン

電動キックボード利用で多発する交通事故・違反

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しかし、流行に比例して、運転者の交通事故や違反件数が増加傾向にあるのも現状です。

警察庁によると、2024年の電動キックボード関連の交通違反の検挙数が4万1246件。2024年4月地点での登録台数は約2万2千台なので、データで見ると検挙数が登録数の1.8倍ということになり、1台あたりの違反数がとても高いことが分かります。
また、2024年の事故件数は338件であると公表されており、交通ルールを無視した運転による自動車や歩行者との接触事故が多発傾向にあります。

株式会社ウェブクルーが実施したアンケートによると、「車を運転中にキックボードの走行を見てヒヤリとしたり、危険を感じたりした経験が何度もある」と回答した人が半数以上の58.0%、「一度だけある」は19.3%と、多かれ少なかれ危険を感じた経験のある人が約8割という結果が出ています。

自動車ドライバーからは以下の声も……。
  • キックボードが急に路地から飛び出してくるケースがあり、接触しそうになってヒヤリとした。
  • 路肩と車の間をすり抜けする車両が多くて怖い。
  • 信号無視をして走っていた。
  • 道路を逆走していた。

歩行者からはこんな意見が……。
  • 狭い歩道を減速せず走っているキックボードとすれ違ったことがある。
  • ぶつかりそうになり、怖い思いをしたことがある。
  • 歩道の真ん中を堂々と走っている車両に遭遇した。

このように、電動パーソナルモビリティの利用を危険視する人が一定数いるのも事実です。
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参考:電動キックボード、違反が年4万件超 「登録台数の1・8倍。違反ありすぎ」立民・石垣氏 - 産経ニュース

アンケート結果(円グラフ)引用元:https://sumaholife-plus.jp/life/34609/

電動キックボードシェアリングサービス大手「LUUP」が講じた対策とは?

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このような問題を受け、電動キックボードシェアリングサービス大手である株式会社LUUPは、交通違反点数制度の運用を変更して安全対策を強化する方針を発表しました。
LUUPの交通違反点数制度とは何か、今までとどう変わるのか解説したいと思います。

「交通違反点数制度」の概要

「交通違反点数制度」は、ユーザーの交通違反削減のため、違反を犯した利用者に対して、LUUPの利用権利を停止する措置を取る制度のことです。2024年1月から新制度の運用が開始されています。
警察に検挙されたLUUP利用時の交通違反に対して違反点数を加算し、一定の点数に達した利用者のアカウントは30日間停止され、シェアリングサービスの利用ができなくなります。
さらに、30日間の利用停止期間後、1年以内に1回でも再度交通違反で取り締まりを受けた場合は、LUUPの利用権限が永久にはく奪されるというペナルティが付きます。
※飲酒運転やひき逃げ・当て逃げなど一部の重大な違反や事故を起こした場合は即効無期限凍結の対象となります。

従来からの変更点と期待される効果

従来はユーザーからの自己申告に加え、警察からの違反情報の提供により、違反点数の管理が行われていました。
しかし警察からの違反情報提供は「警察官が検挙時に利用者から同意を得ること」が必要だったため、せっかく検挙しても抜け穴が生じ、全ての違反を社内で管理することができずにいました。
2025年11月からは警察が事業者(株式会社Luup)に違反情報を共有することへの同意取得方法が変わり、「違反検挙時等の個別同意確認」から、「改定後のLUUP利用規約への同意、アプリ上で行うサービス利用開始時の事前同意」に変更されます。

「警察から受領した違反情報を用いて効果的に違反者のアカウント停止等を実施できるようになる」というのが今回の改定実施に伴う最大のメリットだと言えるでしょう。
ちなみに、新規約に不同意の場合は今後LUUPの特定小型原動機付自転車が一切利用できなくなります。
「LUUP乗用時に交通違反で検挙された場合、自動車と同様に違反点数が付いて利用が制限(もしくは停止)される」というペナルティが付くことにより、ユーザー自身も「今まで以上に気を付けよう」という気持ちで運転するようになるでしょう。
(ルールを守って利用していれば今までと何も変わらずにサービスを受けることができますよ。)

また、業界大手がこのような取り組みを実施することで、競合他社も今度同様の流れを汲む可能性が生まれます。電動キックボード利用にともなう交通事故件数や交通違反削減に繋がる新しい策として期待が高まっているのです。
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画像引用:「交通違反点数制度」に関する安全対策を強化 | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ

今後はサービス利用開始時に同意を取得する流れに変更。同意取得主体がLuupになることで、違反者の正確な情報を把握できるようになります。

2026年4月からは普通自転車も青切符の対象に!

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2026年4月1日からは自転車の交通違反にも「交通反則制度」が導入されます。「2026年から自転車の取り締まりも厳しくなる」という認識を持っている方も多いのではないでしょうか。
青切符とは、軽微な交通違反を犯した車両の運転者に警察から交付される告知書のことで、正式名称は「交通反則告知書」です。書類の色が青色であることから「青切符」と呼ばれています。
違反者には交通反則告知書(青切符)と反則金仮納付書が手交され、期日内に銀行や郵便局で反則金を支払うことが義務付けられています。納付を怠ると、道路交通法違反として刑事手続きに移行します。
今まではスピード違反や停止違反などの禁止行為を行った自動車が対象でしたが、2026年4月からは16歳以上の自転車運転者も含まれることが決まりました。

ちなみに、原動機付自転車や電動キックボードなど「特定小型原動機付自転車」も青切符交付の対象です。
「違反点数制度の対象はLUUPだけだから自分には関係ない」と思わずに、全ユーザーが交通ルールを守って安全運転を心がける必要があると言えるでしょう。
併せて参照したい記事:
電動キックボードの詳細や、2026年青切符制度導入について詳しく解説しています。

LUUPの新制度は、電動キックボードユーザーの意識改革に繋がる重要な取り組み

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「特定小型原動機付自転車は自動車よりルールが緩いから気楽」と思い込んでいる運転者も多いのではないでしょうか?
電動キックボードユーザー一人ひとりが交通ルールを守ることで、道路を通行するさまざななモビリティ運転者や歩行者が安心して通行できるようになります。

また、現状として街中を走る電動モビリティに乗る人の多くはヘルメットを着用していません。着用が「努力義務」とはいえ、万が一の事故にあった際、身の安全を守るためにも、ヘルメットは身に着けておくことをおすすめします。今は帽子のようにおしゃれに被ることができるデザインなども販売されているので、ぜひチェックしてみてください。

LUUPの新制度や青切符導入が今後日本の交通にどのような影響をもたらし、良い効果を発揮するのか、注目していきたいですね。

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