シェアリングエコノミーが最近話題、移動をシェアするサービスが今注目のワケ

皆さんは「シェアリングエコノミー」という言葉を聞いたことがありますか? シェアリングエコノミーとは、個人の資産やスキル、時間などをインターネットを介して他者とシェアする、収益を得る新しいビジネスモデルのことです。 現在「移動」をシェアするカーシェアリングなどのモビリティサービスが日本でも脚光を浴びており、新しいビジネスモデルの展開が進んでいます。 今回は具体的なサービス事例と合わせて、シェアリングエコノミーの魅力を紐解いていきたいと思います。

読者の関心度
★★★★☆
4
※ 各読者がページに費やす時間によって決まります。
記事画像 「.シェアリングエコノミーが最近話題、移動をシェアするサービスが今注目のワケ」

記事の目次

  • そもそも、シェアリングエコノミーとはどんなビジネス?
  • 移動手段の概念が変わりつつある現代社会、移動をシェアするパーソナルモビリティシェアリングのサービスとは?
  • パーソナルモビリティシェアリングのメリット・デメリット
  • パーソナルモビリティシェアリングの画期的な導入事例は?
  • 移動をシェアするサービス、シェアリングエコノミーの代表であるカーシェアリングとは?
  • カーシェアリングの画期的な導入事例は?
  • 移動をシェアするサービス、ライドシェアリングとは?
  • ライドシェアリングの導入事例は?

そもそも、シェアリングエコノミーとはどんなビジネス?

シェアリングエコノミーは、取引する資産に合わせて「モノ」「空間」「移動」「スキル」「お金」の5つのジャンルに分類されています。
メルカリやラクマなどのフリーマーケットアプリ、シェアオフィスや民泊などをイメージする方も多いのではないでしょうか。
時代の流れがモノ消費からコト消費に移行したことに伴い、必要以上にモノを持たず「使いたい」というニーズを持つ人と資産をシェアする考えが一般的になりつつありますよね。
無駄なモノを持たず、必要なときに必要なだけ使うという「エコロジーさ」はSDGsの観点でも社会全体に良い影響をもたらしています。
上記の5つのジャンルのうち、モノは不動産や競走馬のオーナーなど資産の共同購入において一般的な概念でしたが、ここ数年では「移動」が急速に発展してきています。
記事画像 「最近話題のシェアリングエコノミー。「移動」をシェアするサービスが今注目のワケ」

移動手段の概念が変わりつつある現代社会、移動をシェアするパーソナルモビリティシェアリングのサービスとは?

人々が生活する上で欠かせない「移動手段」。電車やバスなどの公共交通機関や自家用車、自転車のほか、最近では電動パーソナルモビリティも台頭しています。
従来、自動車や自転車など、公共交通機関以外で利用する乗用具は、これまで長らく「個人が所有するもの」という考えが一般的でした。自動車であれば一家に一台、パーソナルモビリティであれば一人一台持っているのが当たり前でしたが、シェアリングエコノミー普及に伴い、その常識も変化しつつあります。

最近、街の至るところで自転車や電動キックボードのポート(専用駐輪場)を目にする機会が増えました。
パーソナルモビリティシェアリングは、アプリを使って好きな時間に車両をレンタルし、目的地のポートに付いたら返却するサービスで「ちょっとした外出などの際、手軽に乗れて便利」と利用者が急増しています。
普通の自転車はもちろん、電動キックボードや電動バイクなど、電動パーソナルモビリティのシェアも拡大しており、都市部や観光地の新しい移動手段として活躍していますよ。
  • LUUP
  • LIME
  • movicle
などさまざまな事業者が参入しています。

記事画像 「最近話題のシェアリングエコノミー。「移動」をシェアするサービスが今注目のワケ」

パーソナルモビリティシェアリングのメリット・デメリット

パーソナルモビリティをシェアする事における最大のメリットは、短距離移動に便利な手軽さとコストパフォーマンスの良さです。使いたい時にリーズナブルな価格でレンタルできるので、車両の購入費用や維持費がかかりません。自宅に駐輪スペースが確保できない場合でも、近くにポートがあればとても便利ですよね。
一方、利用の度に予約が必要な点や、非常に頻繁に利用する人にとって車両購入より割高になる点などは、デメリットと言えるかもしれません。

シェアリングエコノミーとしていち早く台頭したものに民泊事業があります。特に有名なものとしてはゴルフの四大メジャー大会の周辺地域の住民が、ツアーの期間中旅行し、ゴルフファンに家を貸し出すという事はかなり前から行われてきました。家と同じように車などのモビリティも、使用しない期間はお金を稼いでもらうという考え方ができます。

しかし自動車をはじめとしたモビリティは日々の移動において重要で、家と違って持ち主と共に移動する事も可能です。手軽に貸し出せる反面、頻度や期間を間違えると、貸す方も貸りる方もメリットは薄くなり、手間の方が上回ってしまう事にもなりかねません。ですから、移動の領域では個人の貸し出しよりも、誰もが使えるパーソナルモビリティシェアリングのポートが存在感を増していると言えます。

パーソナルモビリティシェアリングの画期的な導入事例は?

記事画像 「最近話題のシェアリングエコノミー。「移動」をシェアするサービスが今注目のワケ」
近年急速に普及が進んでいるパーソナルモビリティシェアリング。自治体全体の取り組みとしてシェアリングエコノミーの導入を進める事例も、多く見られています。

事例① 埼玉県さいたま市の取組

2025年3月、埼玉県さいたま市・OpenStreet株式会社・モビリティプラットフォーム株式会社の三者間で「シェア型マルチモビリティの事業の本格実施に関する基本協定」が締結されました。さいたま市が掲げる「スマートシティ実現」取組の一環として、特定小型原動機付自転車などのシェアサービス推進を目指しています。

事例② LOOP for community

株式会社Luupは2024年6月から、全国各地の自治体や観光施設・ホテル等を経営する法人が「LUUP」を地域単位で導入・運営できるサービスLOOP for community事業を開始しました。従来、パーソナルモビリティシェアリングは都市部を中心に実装が進んでいましたが、自家用車以外の公共交通機関が乏しい地方部や、観光客誘致に悩んでいる自治体にも導入することで、過疎化解消や地方創生に繋がると期待が寄せられています。

移動をシェアするサービス、シェアリングエコノミーの代表であるカーシェアリングとは?

記事画像 「最近話題のシェアリングエコノミー。「移動」をシェアするサービスが今注目のワケ」
自動車も「持つ」時代から「シェアする」時代へ移行しつつあり、上記で挙げたように近年急速に発達しているシェアリングエコノミーの代表です。
カーシェアリングは都心部を中心に普及が進んでおり、車を持たない選択をする人が増えている印象です。
  • Times CAR
  • 三井のカーシェアーズ
  • 楽天カーシェア
などが挙げられます。
例えば、「Times CAR」の場合は、発着場所となる駐車場と好きな車を選択し、都度利用時間料を月額料金にプラスして支払うことで利用が可能です。

カーシェアリングのメリット・デメリット

車を所有する場合、購入費用をはじめ高い維持費がかかります。自動車保険料・車検・駐車場代・ガソリン代など、合計するとかなりの金額に…。頻繁に乗るなら良いですが、「車は週末以外利用しない」「月2.3回しか乗らない」という場合は損しているように感じるかもしれません。とはいえ、毎回レンタカーを手配するのは面倒ですよね。

カーシェアリングであれば、維持費やメンテナンス費用がカットされるので車を持つより低コストで利用できます。「都心部に住んでいるので毎日は乗らないけれど、週末のお出かけには使いたい」という利用者のニーズに合致するのです。
しかし、契約世帯が多いエリアでは車の予約が取りにくいケースが多々あります。旅行などの長時間利用の場合には走行距離料金が適用されて費用がかさむ点も、ややデメリット。

カーシェアリングは返却時間が決まっているので、帰路で渋滞に巻き込まれると焦ってしまうことも…。毎月の利用頻度や走行時間を考慮して、利用するか否かを検討すると良いでしょう。

カーシェアリングの画期的な導入事例は?

記事画像 「最近話題のシェアリングエコノミー。「移動」をシェアするサービスが今注目のワケ」
いまや移動の定番となりつつあるカーシェアリング。地域社会のカーボンニュートラル(脱炭素のための取り組み)の実現や地域インフラの充実、災害対策の観点から公用車を活用したEVカーシェアリングの導入が進んでいます。
平日、自治体で公用車として使われているEVカーを、休日に地域住民や観光客などに貸し出す仕組みで、2023年には福島県白河市・千葉県市川市・群馬県・山口県山口市などで、すでにサービスが開始されています。
「電気自動車に興味はあるけれど、購入するには費用が高い」「ちょっと試しに乗ってみたい」という住民のニーズに応えるとても画期的な取り組みです。
自治体が取り組む事でシェアリングエコノミーとしての透明性が担保され、安心して住民が利用する事ができます。

移動をシェアするサービス、ライドシェアリングとは?

記事画像 「最近話題のシェアリングエコノミー。「移動」をシェアするサービスが今注目のワケ」
ライドシェアリングは、自家用車の空いている座席を他人と共有して目的地まで移動する、いわゆる相乗りサービスのことです。海外ではすでに一般的に利用されているシェアリングエコノミーの1つですが、日本でも少しずつ導入が進んでいます。

ライドシェアリングのメリット・デメリット

ライドシェアリングは、通常のタクシーと比較すると利用料金が安い点がメリットで、交通費を節約したい場合や公共交通機関以外の手段で移動したい場合にぴったりの手段です。近年課題と言われているドライバー不足解消や、雇用機会の創出にも繋がると期待されています。
しかし、日本では乗用車の相乗り文化がなく、赤の他人と狭い空間を共有することに不安を感じる方も多いのが現状です。「人によって運転の質が異なるのでは?」という不安の声も…。ドライバーが乗客に危害を加える危険性や、酔っぱらった乗客から暴言や暴行を受ける可能性、嘔吐やペットの粗相などで車内を汚されるリスクもゼロではありません。普及に向けてのルール整備に今注目が集まっています。

ライドシェアリングの導入事例は?

記事画像 「最近話題のシェアリングエコノミー。「移動」をシェアするサービスが今注目のワケ」
現在の日本では「自治体ライドシェア」と「日本型ライドシェア」2タイプが条件付きで許可されています。その名の通り、自治体ライドシェアは運営主体が地方自治体や地方公共団体で、日本型ライドシェアの運営主体は民間企業や個人です。

①自治体ライドシェアの事例 京都府舞鶴市の取組

京都府舞鶴市では、地域の強みである「住民同士の繋がりや助け合い」を生かし、住民同士の送迎サービスとして、自治体ライドシェア「meemo(ミーモ)」を実施しています。
送迎マッチングアプリ「meemo」または電話予約で住民同士の送迎マッチングを実施し、地域住民がドライバーとなり、利用者である地域住民を送迎する仕組みです。運賃は1回の送迎で700円と、タクシーより安価な価格設定です。自治体が運営するサービスなので安心して利用できるメリットもありますよ。

②日本型ライドシェアの事例 Uber Japan 株式会社

Uber Japan 株式会社は、2024年4月に「タクシー会社によるライドシェア導入支援を開始する」と発表しました。
提携タクシー会社への Uber アプリ導入やカスタマーサポート提供に加え、ドライバー希望者を対象地域の提携タクシー会社に紹介するなどの採用支援も行っています。配車から決済、ドライバーや乗客からの問い合わせや事故発生時の対応などの整備が進んでおり、シェアリングエコノミーのリーディングカンパニーとして、今後の動向に注目が集まっています。
多くの人が無意識のうちに利用している新しいビジネス、シェアリングエコノミー。
「移動のシェア」が今後どのような形で発展・浸透していくのか、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか?

田宮有莉

おすすめの記事

パーソナルモビリティの便利な活用方法

人気記事一覧

PR記事の投稿について

MobilitiXでは、モビリティに関連する製品やサービスのPR記事を投稿することが可能です。

MobilitiXにPR記事を投稿することで、モビリティに関心のある非常に多くの個人・法人の読者の方々によって、PR記事を読んでいただけます。

是非とも、MobilitiXにPR記事を投稿し、モビリティに関連する製品やサービスの知名度を向上させませんか。