いだてんの聖地を走る : 熊本・玉名をパーソナルモビリティで巡るスポーツと文学のまち旅

熊本県北部に位置する玉名市(たまなし)は、文学・温泉・自然・食・スポーツが融合する、熊本屈指の文化都市であり、夏目漱石の小説『草枕』の舞台として知られています。そして、玉名を語る上で欠かせないのが、“日本マラソンの父” 金栗四三(かなくり・しそう)です。日本人として初めてオリンピックに出場し、箱根駅伝を創設。彼の生涯はNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で描かれ、中村勘九郎さんが演じた金栗像は多くの人々の心を打ちました。ドラマの放送後、玉名市は“いだてんの聖地”として全国からファンが訪れる、モビリティツーリズムの新名所となっており、E-bikeなどで聖地巡礼が行われています。

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記事の目次

  • ドラマ”いだてん”で描かれた“日本マラソンの父” 金栗四三とは
  • いだてんの聖地をめぐるE-bike 1日モデルコース
  • 玉名で開催されるスポーツイベント&マラソン大会
  • モビリティ旅を快適に楽しむ実践アドバイス
  • まとめ:いだてんの情熱を追いかけて、あなただけの玉名物語へ

ドラマ”いだてん”で描かれた“日本マラソンの父” 金栗四三とは

1891年(明治24年)、熊本県玉名郡春富村(現・和水町)に生まれた金栗四三。
東京高等師範学校(現・筑波大学)在学中、1911年にストックホルム五輪の予選で当時の世界記録を27分短縮し、日本初のオリンピック選手となりました。

本大会では猛暑のため途中棄権となりましたが、この悔しさをバネに「日本のスポーツを世界に広める」という志を立てます。
その後、1920年に箱根駅伝を創設し、日本スポーツ界の礎を築きました。女子体育の普及、高地トレーニングの導入、マラソンシューズの改良など、彼の革新は今日にも通じます。

晩年は故郷・玉名に戻り、地域の子どもたちとともに走り続けました。
生涯走行距離は約25万km(地球6周分)に及び、92歳で亡くなるまで「走る哲人」として生き続けました。
墓碑に刻まれた「体力・氣力・努力」は、今も玉名の人々の心に息づいています。

ドラマと玉名のつながり
NHK大河ドラマ『いだてん』では、玉名の方言や田園風景、温泉街の情景が丁寧に再現されました。
金栗の人間味あふれるキャラクターを中村勘九郎さんが熱演し、視聴者の涙を誘いました。放送後、玉名市では巡礼マップや金栗ロードが整備され、聖地巡礼ツアーの人気が急上昇。いまや玉名は“走る文化遺産”として再び注目を集めています。
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NHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で金栗四三を演じた中村勘九郎(右)と、田畑政治を演じた阿部サダヲ(左)。放送当時、二人の熱演が話題となった。

いだてんの聖地をめぐるE-bike 1日モデルコース

走行距離:約30km/所要時間:約7時間(施設見学・食事含む)/難易度:中級

E-bikeなら、玉名の丘陵も軽やかに走破可能。
レンタルしても、自分のE-bikeや電動キックボードを持ち込んでもOKです。
  
9:00 玉名駅 E-bike STATION 出発 

レンタル料金:2台1組 10,000円〜(1日乗り放題)
問い合わせ:玉名観光協会(0968-57-9663)
玉名駅を起点に、金栗の軌跡をたどる旅が始まります。駅構内には「金栗四三モニュメント」があり、出発前に記念撮影を。

9:30 金栗四三生家記念館(和水町) 

住所:熊本県玉名郡和水町中林546/入館料:大人300円

築200年の古民家で、金栗が幼少期を過ごした場所。
造り酒屋だった頃の姿をそのまま残し、勉強部屋や愛用品、「いだてん」関連展示などが見られます。
周囲にはドラマ撮影にも使われた田園風景が広がり、E-bikeで走ると、まるで物語の中に入り込んだような感覚に。

聖地ポイント:館内ではドラマのロケ資料や勘九郎さんのメッセージも紹介されています。

11:30 ランチ:玉名ラーメン「天琴(てんきん)」 

焦がしにんにく香る濃厚スープが特徴の名店。
地元では“走る前も後も食べたいラーメン”として親しまれています。
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焦がしにんにくの香ばしさが食欲をそそる、玉名ラーメンの代表的な一杯。あっさりとした豚骨スープに深みのあるコクが広がる。


出典:Yahoo!トラベル「玉名ラーメン」スポット紹介ページ

13:00 玉名高校(旧制玉名中学校) 

金栗が青春時代を過ごした母校。 
校庭には彼の銅像が立ち、訪れるランナーやファンが手を合わせる姿も。
「いだてん」では、勘九郎さん演じる金栗が仲間と走り抜ける場面の参考モデルとなりました。

14:00 金栗四三翁住家・資料館(上小田) 

53歳で帰郷してから92歳まで暮らした“終の棲家”。
愛用の品々やオリンピック関連資料が展示され、金栗の素朴な人柄を感じられます。
近くの墓地には「体力・氣力・努力」と刻まれた墓碑があり、静かに手を合わせる人が絶えません。

聖地ポイント:館内にはドラマ撮影後に寄贈された記念写真や応援ノートも展示。

15:30 桃田運動公園&金栗記念広場 

住所:玉名市大倉1144

金栗の功績を記念して名付けられた総合運動施設。
高台の展望館からは、菊池川・有明海・小岱山(しょうだいさん)・雲仙普賢岳を一望できます。
金栗が走った玉名の大地を見渡せるこの場所は、「いだてん」ファンの巡礼スポットとしても人気。

おすすめ時間帯:夕暮れ。オレンジ色の光に包まれる景色はまさにドラマのラストシーンのようです。

17:00 玉名温泉で疲れを癒す 

おすすめ施設:つかさの湯(司ロイヤルホテル内)
入浴料:大人880円/泉質:弱アルカリ性ラジウム単純温泉
1300年の歴史を誇る「美人の湯」。
かつて金栗もトレーニング後に玉名温泉で汗を流したと伝えられています。
湯けむりの中、旅の疲れとともに日常の緊張も解けていく感覚を味わってください。

18:30 玉名駅へ帰着 
E-bikeを返却して旅の締めくくり。
マイE-bikeの方は温泉駐車場で積み込み、夕焼けの空を眺めながら帰路へ――。
その光景こそ、“いだてんのラストカット”にふさわしい瞬間です。
記事画像 「いだてんの聖地を走る : 熊本・玉名をパーソナルモビリティで巡るスポーツと文学のまち旅」
木の香りに包まれた「つかさの湯」の大浴場。広々とした湯船と自然光が差し込む空間で、旅の疲れをゆっくり癒やせる。

玉名で開催されるスポーツイベント&マラソン大会

玉名市では、金栗の精神を受け継ぐスポーツイベントが年間を通して開催されています。

  • 金栗杯玉名ハーフマラソン大会(2〜3月)
70年以上続く伝統大会。平坦な高速コースで好記録を狙える。

  • 玉名いだてんマラソン/横島いちごマラソン(2月)
干拓地や田園地帯を駆け抜ける自然満喫コース。

  • 金栗翁マラソン大会(和水町)(11月)
生誕地で行われるアットホームな大会。親子ランナーにも人気。

  • 金栗記念選抜中長距離熊本大会(4月初旬)
全国からトップ選手が集う本格大会。“KK”は「金栗」「熊本」「九州」の頭文字です。

モビリティ旅を快適に楽しむ実践アドバイス

  • E-bikeレンタル:玉名駅構内「E-bike STATION」/1日10,000円〜(2台1組)
  • 持ち物:スマホ、モバイルバッテリー、水、帽子、日焼け止め、タオル
  • マイE-bike派:バッテリーは出発前にフル充電。平地はエコ、坂道はパワーモードで節電を。
  • 予算目安:約10,000円(レンタル・昼食・温泉・お土産含む)

安全運転のポイント
  • 下り坂では早めのブレーキを。
  • 観光地では徐行し、歩行者優先。
  • スマホで撮影する際は停車して安全を確認。

まとめ:いだてんの情熱を追いかけて、あなただけの玉名物語へ

E-bikeや自分のモビリティで巡る玉名の旅は、観光を超えた“体験の物語”です。
金栗四三が生涯をかけて追い求めた「走る喜び」「挑戦する心」は、今もこの地の風の中に息づいています。

温泉の湯けむり、花しょうぶの香り、漱石の文学の余韻、そして「いだてん」の舞台となった懐かしい風景。 
それらすべてが重なり合う玉名で、あなた自身の“物語”を走り出してみませんか。

ペダルを踏み込む瞬間、あなたの旅が始まります。
走り抜けた先で出会うのは――過去でも未来でもない、“今を生きる”あなた自身です。

画像参照

・ヘッダー画像 : 蓮華院誕生寺 (熊本県玉名市)

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