LRTは今注目の次世代型モビリティだが、路面電車との違いや日本国内での導入の現状はどうなっているのか

みなさんは「LRT」という単語を聞いたことがありますか?現在、二酸化炭素排出量削減や交通渋滞緩和を実現するために、世界各国で公共交通機関の利用を推進しています。「LRT」はその取り組みの一環として開発された次世代型路面電車で、環境負荷を軽減する新しいモビリティとして注目を集めています。今回は地域活性化やバリアフリーの観点からも評価が高く、新たな公共交通機関として日本でも実証実験が行われている「LRT」について紹介します。

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記事の目次

  • LRTとは何の略称でどんなモビリティ?路面電車との違いも解説!
  • 世界のLRT推進状況は?日本は遅れを取っているのか?
  • 日本では衰退の道を辿った路面電車。LRT普及の課題とは?
  • 日本でのLRT導入実例。補助事業や支援策についても解説!
  • サステナブルでバリアフリーにも配慮された画期的なモビリティ、LRT。今後の動向に注目してみましょう!

LRTとは何の略称でどんなモビリティ?路面電車との違いも解説!

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LRTとは、Light Rail Transit(ライトレールトランジット)の略称です。路面電車が進化したモビリティとも言われており、欧米やアジアを中心に、すでに導入が進んでいる国もあります。LRTは道路上の線路を走行するという点では路面電車と同じですが、停留所やホームと同じ高さに車両の床を設ける「低床式車両(LRV)」を採用しています。

停留所との間に高低差があるバスや、ホームとの間に隙間がある電車の場合、ベビーカーや車いすでの乗降が大変です。また足腰が悪い高齢者や小さい子供にとって、隙間や段差は危険を伴います。LRTは移動のバリアフリー化を叶える画期的なモビリティなのです。レトロな車体が特徴的な路面電車と比較すると、デザインも現代的ですよ。

また、LRTが乗客1名を1㎞運搬する際に排出する二酸化炭素量は、自家用車の約半分と言われています。環境に優しいエコな車両として普及が期待されています。

世界のLRT推進状況は?日本は遅れを取っているのか?

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現在、先進国を中心とした世界各地でLRTの導入が進んでいます。例えばフランスや台湾では蓄電装置付の架線レスLRTがいち早く導入されており、一歩先をリードしています。

台湾の場合は、LRTが走行する軌道敷に芝生を施し、駅舎には数多くの植栽を導入しているという特徴もあります。景観や環境に配慮したデザインは架線レスだからこそできる設計です。

一方日本では一部地域での導入や実証実験が進んでいるものの、世界的に見ると遅れを取っています。日本でLRTの普及が難しいのは何故でしょうか。

日本では衰退の道を辿った路面電車。LRT普及の課題とは?

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日本で初めて路面電車が開通したのは明治時代でした。以後画期的な移動手段として発展しますが、第二次世界大戦後の復興と高度経済成長期を経て衰退の道を辿ります。地下鉄や自動車が台頭し、路面電車の需要が減少したことが大きな理由です。現在の日本で稼働しているのは23都市23事業者のみです。

LRTは路面電車のメリットを活かしつつ、バリアフリーやエコという観点で更なる進化を遂げたモビリティです。しかし道路上に架線を設ける必要があるため、都市部での導入を計画する場合は大規模な道路工事が必要となり、長期間の交通規制が発生します。幾つもの路線がある地下鉄や私鉄、JRに加えバス、電車やタクシーなどすでに様々な交通手段が入り組み完結している日本の都心部に導入するにはハードルが高いと言われています。

日本でのLRT導入実例。補助事業や支援策についても解説!

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日本では2006年に富山ライトレールが、2023年に宇都宮ライトレールが開業しています。富山ライトレールは立山連峰の雪からインスピレーションを受けたホワイトカラーの車体が印象的なモビリティです。

市内再開発と並行して導入された富山ライトレール。運行間隔の短さやバリアフリーなデザイン、富山南北を結ぶ新路線としての機能が高く評価され、富山県民の足として重要な役割を果たしています。

イエローとブラックを取り入れたバイカラーの車体が目を引く宇都宮ライトレールは2023年、国内2番目に開業したLRTです。交通渋滞緩和や市内アクセス向上の目的で導入されました。全車両の車内にWi-Fiが設置されているという嬉しいポイントも…!開業から2年経った現在、宇都宮と工業団地を繋ぐ移動手段として新たな役割を担っています。

しかし、現在日本で導入されているLRTは上述した2都市のみ。導入事例を増やすべく、補助金などの支援制度が設けられています。2025年5月には令和7年度予算「地域の公共交通×脱炭素化移行促進事業」の公募が行われました。

交通システムの脱炭素化に向けて、マイカーへの依存度が高い地方都市部を中心に、CO2排出量の少ない公共交通へのシフトを促進するため、LRT車両導入支援を行うという内容が組み込まれています。(引用:環境省報道発表資料)

公募に通った場合、LRT整備にかかる経費費用の一部を補助金として受け取ることが可能です。

サステナブルでバリアフリーにも配慮された画期的なモビリティ、LRT。今後の動向に注目してみましょう!

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LRTは、環境負荷軽減はもちろん、低床式車両による移動のバリアフリー化も叶える画期的な次世代モビリティです。地方創生や公共交通機関の利便性向上、輸送効率アップに繋がると期待されており、国家主導の補助金・支援制度も着々と整備されています。

日本各地でLRTの車両に出会える未来も近いかも?今後の動向にぜひ注目してみてくださいね。

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