2025年12月18日
ミライドン・コライドンーJapan Mobility Show2025出展で話題の、実際に乗れるポケモン型モビリティ
新型車から未来型モビリティまで、あらゆる乗り物の可能性を体感できる日本最大級のイベント、Japan Mobility Show2025。 ポケットモンスタースカーレット・バイオレットの「伝説のポケモン」である「ミライドン」と「コライドン」を象ったモビリティ「トヨタミライドン」と「ホンダコライドン」がはじめて同時展示されたことでいま話題になっています。 「トヨタミライドン」と「ホンダコライドン」とはそれぞれどんなモビリティなのか、ジャパンモビリティーショーの展示では何が体験できるのかなど、詳しく紐解いていきたいと思います。
読者の関心度
★★★★☆
4
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片倉 好敬
Katakura Yoshitaka
アベントゥーライフ株式会社
代表取締役 兼 CEO
ミライドン・コライドの同時展示はJapan Mobility Show2025の地方シでもお披露目、体験ライドも。
Japan Mobility Show2025は10月30日から東京ビックサイトで開催されて大きな話題になりましたが、
でも日程を変えて地方ショーが実施されます。ゲーム「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」に登場するミライドンとコライドンのモビリティ展示も行われる予定で、実物大の形状を忠実に再現しています。それぞれトヨタ自動車株式会社(以下トヨタ)と本田技研工業株式会社(以下ホンダ)が開発したモビリティなので、いままで2体同時に展示される機会はありませんでした。今回のモビリティーショーでは2体のポケモンが並んで展示されているのでとても迫力があります。
両モデルとも事前予約によりライド体験が可能!幼いころ、一度はゲームの主人公のようにポケモンの背中に乗って移動してみたいと思ったことがある方も多いのではないでしょうか。その夢がいま、リアルな世界で叶うかもしれません。
地方ショーの開催日程は以下のとおりです。
| 名古屋(ポートメッセ名古屋) | 2025年11月22日~24日 |
| 大阪(インテックス大阪) | 2025年12月5日~7日 |
| 福岡(マリンメッセ福岡) | 2025年12月18日~21日 |
| 札幌(大和ハウスプレミストドーム) | 2026年1月23日~25日 |
ミライドン・コライドンが登場する、ポケットモンスタースカーレット・バイオレットとはどんなゲーム?
では、今回話題になっている「ミライドン」と「コライドン」が登場するゲーム「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」とはどんなゲームなのでしょうか?
ゲームの特徴は、ポケットモンスターシリーズ初となる、オープンワールドのRPGであるということ。自由に駆け巡ることのできるフィールドで体験できるのは、ストーリーに決められた順序のない、新たな冒険スタイル。ポケモンと出会い、仲間にして、バトルして、育てて、交換して……。これまでのシリーズの魅力はそのままに、大人から子どもまで幅広い世代が自由に楽しめるのが醍醐味です。ゲームには「スカーレット」と「バイオレット」の2つのバージョンがあり、登場するポケモンやストーリーの展開、登場人物の服装やグラフィックの雰囲気が異なります。片方のシリーズを極めるのも、両方セットで購入して違いを比べながら遊ぶのも楽しいですよね。
画像はゲーム公式サイトより引用。最初に選べる3匹のうち、猫をモチーフにした「くさ」タイプのポケモン、「ニャオハ」はとくに人気がありますよね。
ミライドン・コライドンとはー伝説のポケモン、ミライドンとは、どんなポケモン?
ミライドンは、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」の「バイオレット」バージョンにのみ登場する、紫色で機械の竜のような姿をした「でんき」タイプの伝説のポケモンです。「バイオレット」は未来技術が発展した世界が舞台なので、キャラクターの見た目も少し近未来的でメカニックですよね。
他のポケモンを凌駕する力を持つと言われていますが、詳しい生態は明かされていないとのこと。浮遊して相手を牽制する「コンプリートモード」を備えており、「ハドロンエンジン」や「イナズマドライブ」といった強い特性や技を持っています。
ゲームの序盤で仲間になり、ストーリーを進めると「ひこう」モードが解放され、キャラクターの背中に乗ってフィールドを移動することができるようになります。
ミライドン・コライドンとはー伝説のポケモン、コライドンとは、どんなポケモン?
コライドンは、「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」の「スカーレット」バージョンにのみ登場する、古代のドラゴンのような姿をした伝説のポケモンです。パラドックス体色は赤で、喉からお腹にかけてタイヤのような膨らみがあるのが特徴です。「スカーレット」は歴史や伝統に重きを置いた世界観で、過去のポケモンや伝説にまつわる謎解きがストーリーのテーマなので、キャラクターのビジュアルもメカニック感あるミライドンとは少し異なります。
バトルでは、圧倒的なパワーを誇る「かんぜんけいたい」や特性「ひひいろのこどう」、かくとうタイプの物理技「アクセルブレイク」といった強い力を発揮します。
こちらもゲームの序盤で仲間になり、ストーリーを進めると「ひこう」モードが解放され、背中に乗ってフィールドを移動することができるようになります。
ミライドン・コライドンの画像はポケモン公式サイトより引用しています。どちらもそれぞれ異なる魅力があってかっこいいですよね。
ミライドン・コライドンの歩みートヨタミライドン、開発の歴史
バイオレットシリーズ伝説のポケモンであるミライドン。「トヨタミライドン」は未来のモビリティ社会実現を目指して開発されました。
「夢は実現できる」「想像が未来をつくること」を子どもたちに伝えたい……ゲーム内で登場するキャラクターを未来のモビリティとして現実世界に誕生させる「トヨタミライドンプロジェクト」は、子どもたちの夢を形にするために始まった、トヨタ技術会とポケモンによる共同プロジェクト。
プロジェクトの中心となった「トヨタ技術会」は、トヨタの技術者を中心に構成された社内の有志団体で、毎年、地域社会への貢献を目的に豊田市との合同イベント「わくわくワールド」を開催しています。
2023年度に「夢のミライモビリティ」をテーマに、愛知県の小学生にアンケートを実施したところ、8000ものアイデアが集結。そのなかでトヨタ技術会メンバーの目に止まったのが、1枚のアンケートシートだったそうです。そこから「実際に作りたい!」とプロジェクトが始動し、「わくわくワールド」開催までのたった半年の期間で体長約4m、高さ約2mの巨大モビリティを完成させたのです。
モビリティのもっとも大きなポイントは「変形できること」。作中に登場するミライドンは地形にあわせて形態が変化して複数のモードに切り替わります。四足歩行する「リミテッドモード」のほか、バイクのように走る「ドライブモード」への変形も可能で、人を乗せて動かせるように細部にこだわって動きを追求したそうです。
また、カラーリングにもこだわっており、特別に調色されたオリジナルカラーを使用しています。バイオレットカラーに赤いパールを足すことで、より立体的に、生き生き見えるように工夫されています。
モビリティは2023年11月の「わくわくワールド」で初披露され、2024年3月には東京ミッドタウン日比谷で展示試乗会が開催されました。
ミライドン・コライドンの歩みーホンダコライドン、開発の歴史
スカーレットシリーズ伝説のポケモンであるコライドン。「大人の本気が子供の夢になる」というトヨタミライドンへのモノづくりの想いに感銘を受けたホンダのエンジニアたちが有志で集結し、「ホンダの技術力で、躍動感のあるコライドンをモビリティの形で再現させることができるはず……!」と2024年7月に「ホンダコライドンプロジェクト」を立ち上げました。
約40名のプロジェクトメンバーが目指したのは“しっそうけいたい”の姿を映したモビリティの形を追求すること。大きさはもちろん、重さもほぼ同じにするこだわりで、キャラクターの再現を目指しました。
従来あるホンダのバイクでは理想通りの色がなかなか表現できず、ホンダコライドンのために新たな色を作ったそう。
顔や前脚に刻まれた鱗のようなテクスチャは恐竜の剥製を見比べて研究し、リアル感を再現。翼部分には軟質材のウレタン材を使用することで、ゲーム内のキャラクターと同じように走るとなびくように設計されています。
“しっそうけいたい”の形で自立させ、手足・首・顔の動きを表現、実際にライド出来るモビリティを開発すること8か月、ついに「ホンダコライドン」が完成します。
安定した走行を実現する「Honda Riding Assist」の技術を搭載し、モビリティとしてのなめらかな動きを叶えるだけでなく、「ASIMO」のロボット技術も駆使しながら活発で伸びやかな手足の動きを表現するなど、ホンダの技術が詰め込まれたモビリティになりました。
2025年3月7日にはHondaウエルカムプラザ青山にて初公開されました。また、毎年大きな盛り上がりを見せる「2025 FIM世界耐久選手権"コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会(鈴鹿8耐)」でホンダコライドンの展示が行われ、8月3日の決勝スタート前セレモニーでは、ホンダコライドンの走る姿が初披露されました。
ちなみに、完成後も引き続き改良が続いています。2025年3月に初披露された際は動きがなく、静止した状態で展示されていました。その姿に喜ぶお客さんがいる一方で怖がってしまうお子さんもいたことを踏まえて、呼吸やまばたきといった動作を加えることでより親しみやすいモビリティになるようアップデートするなど、より「リアル」に近づける工夫がされています。
2体のポケモンが並ぶ姿は圧巻、ぜひ実際に展示を見に行ってみては?
日本自動車工業会からの声がけで実現した、Japan Mobility Show 2025での2体同時展示。未来のものづくりを示すモビリティとして「トヨタミライドン」と「ホンダコライドン」が並んで展示されている姿はとても迫力があり圧巻の眺めです。どちらも作中のサイズと同じ大きさなので、まるでゲームの世界に入り込んだかのような感覚が味わえるでしょう。
ポケモンたちのリアルな息づかいや雰囲気を間近に感じるチャンス!
ポケモンが好きな子どもたちはもちろん、大人が乗っても楽しいので、展示を見に行く際はぜひライド体験にも挑戦してみてはいかがでしょうか?
当メディアでは引き続きモビリティについての動向を追っていく予定です。新たにライド体験や製品化が決まった際にはいち早く取り上げていきたいと思っていますので、楽しみにお待ちくださいね。