免許返納後の課題やおすすめ移動手段を解説・両親や祖父母の免許返納後どうする?

皆さんの両親や祖父母は、今も車の運転を続けていますか? 年を重ねた家族の運転技術に不安を感じている方もいるかもしれません。一般的にシニアドライバーと呼ばれるのは65歳以上の運転者ですが、働く高齢者の増加や健康寿命延伸の背景から、年を取っても車の運転を続けている方が増えています。 「自分の両親(祖父母)はシニアドライバーだが、事故のリスクもあるしそろそろ免許返納も検討してほしい」と考えているものの、返納を拒否されるケースやその後の移動手段に困るケースが暫し見られます。 今回は、自主返納のしくみやマイカーを手放した後に起こる問題、自動車に代わるシニアカー等の移動手段や補助金制度について解説します。

読者の関心度
★★★★☆
4
※ 各読者がページに費やす時間によって決まります。
記事画像 「.免許返納後の課題やおすすめ移動手段を解説・両親や祖父母の免許返納後どうする?」

記事の目次

  • 運転免許証が使える年齢と、自主返納について解説
  • 高齢者の免許返納率はどれくらいか過去6年のデータを分析
  • 免許返納後、高齢者が直面する移動の課題とは?
  • 免許返納後、高齢者におすすめの代替移動手段とは?
  • 免許返納後のシニアカーの購入やレンタルに、補助金制度や介護保険を活用しよう。
  • スタイリッシュで多機能な、次世代型のシニアカーがあるって本当?

運転免許証が使える年齢と、自主返納について解説

記事画像 「免許返納後の課題やおすすめ移動手段を解説・両親や祖父母の免許返納後どうする?」
日本で普通自動車免許が取得できるのは18歳以上と定められていますが、運転できる年齢の上限には法的なルールがありません。そのため充分な身体機能があり、視力や認知機能にも問題がなければ、高齢者でも運転が可能です。
しかし、年齢と共に視力や判断力が衰えていくことは否めません。運転に自信があった人でも、加齢による道路標識や信号、歩行者の認識遅れや、ハンドルやブレーキ誤操作のリスクが高まります。
免許更新時に、70歳以上向けの高齢者講習、75歳以上向けの認知機能検査と高齢者講習があるものの、高齢者の運転には危険が伴いますよね。そのため、運転免許証の有効期間内に自分の意志で免許返納する「自主返納」という手続きが推進されているのです。
運転免許証と印鑑があれば、警察署や運転免許センターで申請可能ですよ。自主返納をした方には地域や自治体によってさまざまな特典が用意されています。

高齢者の免許返納率はどれくらいか過去6年のデータを分析

平成30年の高齢免許保有者は約1863万人でしたが、令和5年には約1983万人と年々増加傾向にあることが分かります。一方で免許返納者数は平成30年には約40万人でしたが、令和5年には約36万人と、やや減少。返納率も令和元年をピークに低下しているのが現状です。

世代の移り変わりと共に近年増えている高齢運転者ですが、他の年代の運転者と比較した場合、より事故を起こしやすいというデータもあるようです。(※下記引用)
令和5年におけるシニアドライバーによる死亡事故件数は全体の33%と、比較的高い割合を占めています。
事故の削減のためにも、高齢者の自主返納が、自己数の全体的な数字を下げる為に効果的であるということがわかります。

引用:高齢者免許返納を促進したい自治体にむけた高齢者免許返納促進事業活用の手引 P.3

免許返納後、高齢者が直面する移動の課題とは?

記事画像 「免許返納後の課題やおすすめ移動手段を解説・両親や祖父母の免許返納後どうする?」
しかし、自主返納後の移動手段にはまだまだ課題があります。まず、地方や過疎地など、車頼りで他の交通インフラ(例えば鉄道や路線バスの範囲、本数など)が乏しい場合は、「マイカーを手放したけれど、代わりの移動手段がない」という事態に陥ります。せっかく免許を返納したのに、買い物や通院が困難になってしまっては元も子もないですよね。運転できなくなった本人の代わりに家族が送迎などを担う場合は、周囲の負担も大きくなります。

また、車や運転好きな方ほど「運転できなくなった」ことで老いを自覚して自信を喪失し、気持ちが沈んでしまうことも…。免許返納後の生活に支障が出ないよう、高齢者に優しい代替移動手段の整備が求められています。

免許返納後、高齢者におすすめの代替移動手段とは?

記事画像 「免許返納後の課題やおすすめ移動手段を解説・両親や祖父母の免許返納後どうする?」
公共交通機関が乏しい地域に住むシニアドライバーの新しい「足」として期待されているのが電動パーソナルモビリティです。
電動パーソナルモビリティと聞くと、キックボードやバイクをイメージする方が多いかもしれませんが、それだけではありません。「シニアカー」と呼ばれる車両なら、免許返納後も免許不要で歩道の走行が可能です。安定感のある車体で操作も分かりやすいため、高齢者でも安心して運転できますよ。

その場合、特例特定小型原動機付自転車という区分になりますので、最大速度6km、特例特定小型原動機付自転車の交通法に従う必要があります。これは電動車椅子等と同じ区分となり、既に運用されているモビリティのカテゴリですので、安心して利用する事ができます。

①電動四輪カート

記事画像 「免許返納後の課題やおすすめ移動手段を解説・両親や祖父母の免許返納後どうする?」
一般的なシニアカーとしてイメージされることが多い四輪カート。タイヤは小さめで四輪なので安定感があり、乗り降りの際、転倒の心配が少ない点も安心です。力をあまり使わず方向転換でき、アクセルやブレーキ操作も簡単ですよ。最近では1回の充電で長距離走行できる車両も増えているので、「免許返納して車は手放したけれどたくさん外出はしたい」という方のニーズにも応えています。

GPS機能が搭載されたモデルを選べば、「見守り機能」としての活用も可能です。前カゴ付きや荷台のついているものは、重いものを運ぶ場合や日々の買い物に便利です。雨の日に四輪カートを使う際は傘をさしながらの操作は危険なので、「雨よけカバー」や「レインカバー」が必要になります。防水性・安定性・視認性が重要で、反射材付きで安全性を高めるのがポイントです。

②電動三輪車

記事画像 「免許返納後の課題やおすすめ移動手段を解説・両親や祖父母の免許返納後どうする?」
自転車に乗っている感覚で運転できる電動三輪車も、免許返納後の代用モビリティとして人気です。スイング式と固定式の2タイプがあるので、試乗の上、乗りやすいと感じた方を選ぶと良いでしょう。
まず、スイング式は前輪部分が左右に傾く仕様なので自転車の操縦に慣れている方におすすめです。自転車を操縦する際、曲がり角などで車体を少し傾けてバランスを取りますよね。それと同様の感覚で運転できるのが最大のメリットです。

一方固定式は車体が傾かない構造で、カーブする際はハンドルを進行方向に切って進みます。スイング式よりさらに安定感があり、転倒リスクが低いという良さがあります。しかし、自転車に乗り慣れている方は、最初操作に苦戦する可能性があることを念頭に入れておきましょう。

③電動車椅子

記事画像 「免許返納後の課題やおすすめ移動手段を解説・両親や祖父母の免許返納後どうする?」
上で少しご紹介したように、電動車椅子もシニアカーの一種です。足腰が悪く自力での歩行が難しい場合や、生活スタイルによっては導入を検討すると良いでしょう。手動の場合は介助者の手押しが必要ですが、電動であれば好きな場所に自分だけで移動することができます。

例えば「免許返納後に福祉施設の送迎車に迎えに来てもらいデイサービスに通院している」「バスなどの公共交通期間を利用することが多い」という場合は、三輪車などの場合、車への乗り入れができません。車いすであれば車両ごと車やバス、電車などに乗せることが可能なので、ライフスタイルに合わせて導入を検討するのもおすすめですよ。

免許返納後のシニアカーの購入やレンタルに、補助金制度や介護保険を活用しよう。

記事画像 「免許返納後の課題やおすすめ移動手段を解説・両親や祖父母の免許返納後どうする?」
高齢者の免許返納後の移動手段として便利なシニアカーですが、購入費用は約30万円から50万円、レンタルの月額料金相場は約2万円と、やや高額です。「購入は高いし、毎月2万円払うのも厳しい…。」と思う方も多いでしょう。そんな時、ぜひ活用してほしいのが補助金制度や介護保険です。

1. 補助金制度の活用

自治体の補助金制度を活用することで、割安でシニアカーの購入が可能です。
高齢者の自主返納を推進し、自立した生活を支援することを目的にシニアカー購入の際、自治体から補助金が出ることがあります。
導入有無や条件、金額は自治体によって異なりますが
  • 「許証返納した65歳以上の高齢者」
  • 「健康で税金の滞納がないこと」
などの基準を定めている自治体が多いです。
購入前に申請が必要なケースが多いので、まずは対象者の居住地に補助金制度があるか否かを調べ、ある場合はどのような条件で利用可能なのか確認しましょう。

2. 介護保険の活用

利用者が要介護2以上に認定されている場合は、介護保険の利用により最大1割負担でシニアカー(電動車いす)のレンタル費用を賄うことができます、月額2万円が2,000円になるのはとてもありがたいですよね。
要介護は原則2以上が介護保険適用の条件ですが、それ以下の場合でも主治医やケアマネジャーが「必要」と判断した場合、保険が適用される可能性があるので、検討している場合は一度、担当のケアマネジャーや主治医に相談することをおすすめします。

スタイリッシュで多機能な、次世代型のシニアカーがあるって本当?

「ラインナップも増えていて補助金や介護保険も使えるのは魅力的だけど、昔ながらのボテっとしたデザインが多いなあ…。」と先入観を持っている方、高齢者用には見えないなスタイリッシュなデザインと便利な機能を搭載した次世代型の車両を販売するメーカー「WHILL」をご存知でしょうか?
シニアカーとは思えない洗練されたメタリックなボディや、選べる4色のカラーがとても素敵です。バスケットが付いているので買い物にも便利!「歳を重ねてもおしゃれに暮らしたい」と思っている方にもぴったりです。免許返納したけどシニアカーに抵抗感がある、という方にぜひ勧めてほしいモビリティです。
直感的に操作可能なハンドル、満充電の際は33km走行可能な大容量のバッテリー、低めの段差であれば乗り越えられる走破性など…高齢の方でも安心・安全に利用できる機能も揃っていますよ。
さらに、周囲の家族が見守りに使えるGPS機能もついています。日々のお出かけ履歴が自動で記録されるので、お出かけルートが一目でわかります。万歩計のような感覚で利用できるのも楽しいですし、使用有無によって活動状態をモニタリングできるのも嬉しいポイントです。

シニアドライバーの運転を見直し、免許証の自主返納を検討しましょう。

大切な家族にはいつまでも健康でいてほしいもの。免許返納は、たしかに生活が少し不便になる懸念もありますが、現在は車以外のさまざまなツールが充実しているので徐々に自主返納のハードルが下がっています。
免許返納後の車を手放した後のライフスタイルを、ぜひ家族で相談してみてくださいね。

田宮有莉

おすすめの記事

パーソナルモビリティによる新たなライフスタイル

人気記事一覧

PR記事の投稿について

MobilitiXでは、モビリティに関連する製品やサービスのPR記事を投稿することが可能です。

MobilitiXにPR記事を投稿することで、モビリティに関心のある非常に多くの個人・法人の読者の方々によって、PR記事を読んでいただけます。

是非とも、MobilitiXにPR記事を投稿し、モビリティに関連する製品やサービスの知名度を向上させませんか。